鉱物資源の安定供給
G7複雑な契約の交渉支援強化(CONNEX)イニシアティブの概要
1 設立
G7CONNEXイニシアティブ(The Initiative on Strengthening Assistance for Complex Contract Negotiations)とは,2014年のG7ブリュッセル・サミットで発足した,天然資源に関する複雑な契約の交渉において開発途上国の交渉能力を強化するため,分野横断的かつ具体的な専門性の提供を目指すイニシアティブ。
2 目的・活動
G7CONNEXイニシアティブは,開発途上にあるパートナー国及び投資企業の利益を保護しつつ,当事国の成功裏かつ包摂的な発展に資するよう,複雑な商業契約が高度に練られかつ十分に交渉されることを目指す。主要活動の内容は,(1)既存のリソースに関する情報統合とアクセスの向上,(2)既存の交渉支援の強化,及び(3)長期的な能力構築支援及び透明性の向上との関連づけの三本柱からなる。
これまでの進捗としては,(1)関連情報の統合とアクセス向上を通じて交渉を支援するためウェブ・ポータルの整備(米国コロンビア大学のコロンビア持続可能な投資センター(CCSI)との協力関係を構築)。
また,(2)既存の交渉支援の強化のための取組として,2015年のG7エルマウ・サミットにおいて,契約交渉における助言的な支援を向上させるためのモデル要素を提供するための「G7CONNEX 行動規範(PDF)」が承認された。また,2015年12月,交渉支援者,パートナー国及び投資家の間の知見の共有と相互学習を促進するためのOECD開発センターとの連携による「ネゴシエーション・サポート・フォーラム(NSF)」が発足した。
さらに,(3)長期的な能力構築支援及び透明性の向上にあたっては,日本が議長国を務めた2016年の伊勢志摩サミットにおいて,議長国である日本の主導のもと,G7がG7CONNEXイニシアティブを実施する際の指針として「G7CONNEX持続可能な開発に向けた基本指針(PDF)」が承認された。