経済外交

2014 G7ブリュッセル・サミット 首脳宣言

(骨子)

平成26年6月6日

前文

  • G7首脳,欧州理事会議長及び欧州委員会委員長は,2014年6月4-5日にブリュッセルで会合を行った。このグループが集まったのは,共通の信念と責任を有する故である。我々は,自由及び民主主義の価値並びにその普遍性に深く関与し,人権と法の支配の尊重を含む,開かれた経済,社会及び政府を信じる。これからドイツが議長を務めることを歓迎。

世界経済

  • 成長と雇用の下支えは,引き続き最優先事項。G8ロック・アーン・サミット以降,世界経済は強化されているが,注意深く管理すべき下方リスクは残っている。
  • 経済のレジリエンスを高めるため,強固で,持続可能かつ均衡ある成長を支えるための取組を行う。雇用と女性の参画,イノベーション等の分野での行動を含め,G20ブリスベン・サミットにて,野心的で包括的な成長戦略を提示。引き続き機動的に財政戦略を実施。
  • 貿易と投資は,雇用と成長の主要な原動力。市場を開放し,あらゆる形態の保護主義と闘うとの責務を再確認。
  • 日本-EU,カナダ-日本,EU-米国,環太平洋パートナーシップ(TPP)等の主要な貿易交渉で,実質的な進展あり。これらの交渉の可能な限り速やかな妥結を目指す。
  • 第9回WTO閣僚会議の成功裏の成果を歓迎。「バリ合意」,とりわけ貿易円滑化協定の完全かつ早期の実施を優先。

エネルギー

  • エネルギー供給を,政治的威圧の手段や,安全保障上の脅威として用いることは容認できない。ウクライナの危機は,エネルギー安全保障の重要性を明確化。
  • 5月のローマG7エネルギー大臣会合の合意(「ローマ・イニシアティブ」)の下で強じんで低炭素なエネルギーシステムを構築。
  • 低炭素技術(再生可能エネルギー,原子力の利用を選択する国にあっては原子力,及び二酸化炭素回収・貯留(CCS))の利用促進。
  • 新たな供給源や,輸送インフラ,貯蔵能力及びLNGターミナルの開発を通じ,より統合されたLNG市場を促進。仕向地条項の緩和や産消対話を含めた,柔軟なガス市場を更に促進。

気候変動

  • 全ての締約国に適用される新たな議定書,他の法的文書又は憲章の下で法的効力を有する合意成果といった世界的な合意を2015年に採択するとの強い決意を確認。パリでのCOP21に先立ち(準備ができる国は2015年第1四半期までに),自主的に決定する約束草案を示すとともに,他国に対し,我々に続くことを求める。
  • 非効率な化石燃料補助金の撤廃,及び気候変動に取り組むという我々の共通の目的に輸出信用がどのように貢献し得るかについてOECDで継続されている議論に引き続き深く関与。
  • モントリオール議定書の下での,ハイドロフルオロカーボン(HFC)の生産と消費の段階的削減のために行動。気候に配慮した,安全な,カーエアコンの代替品の迅速な展開促進のために引き続き行動し,気候に配慮したHFC代替品の政府調達を促進。

開発

  • 全ての国における持続可能で包摂的な開発と,更なる繁栄の追求は,G7の国民と国々を結束させる根本的な責務。これまでのサミットでの合意を引き続き実施。
  • 野心的で普遍的なポスト2015年開発アジェンダに合意するため,全てのパートナーと協力することを約束。人間を中心に据えるべき。
  • アフリカの包摂的で強じんな成長を引き続き促進。安全と開発は,平和の前提条件。
  • 採取産業の透明性を向上させる世界共通の基準に向けて取り組むことを約束。同基準の迅速な実施に向けたG7各国における進展を歓迎。
  • 開発途上国のパートナーに対し,採取部門に焦点を当てた,複雑な商業契約交渉のための専門性を提供するための新イニシアティブ(CONNEX)を本日発表。
  • 女性と子供の健康及び幸福は,負担可能な価格の,質の高い基礎的保健サービスへのユニバーサル・アクセスを確保し,保健システムを強化することを通じて改善。
  • アフリカのリーダーシップの下,食料安全保障及び栄養のためのニュー・アライアンス,及び世界食料安全保障委員会(CFS)による「責任ある農業投資原則」の成功裏の策定を支援。

ウクライナ

  • 5月25日の選挙の成功裏の実施を歓迎。ポロシェンコを次期大統領として歓迎。
  • ロシアの干渉に対し,G7はウクライナ政府及び国民と共にある。欧州安全保障協力機構(OSCE)による,危機の緩和に向けた実質的な貢献を完全に支持。ウクライナ議会及び政府に対し,憲法改正を追求することを奨励。
  • G7は,ウクライナの経済発展,主権及び領土の一体性を支えるため,引き続きウクライナと協働。ウクライナの改革は極めて重要。IMFによる170億ドルのプログラム承認の決定を歓迎。EUの支援調整会合開催の意図を歓迎。
  • ロシアによるウクライナの主権と領土一体性の継続的侵害を一致団結して非難。国際法の基本原則に違反するものであり,全ての国にとって懸念。ロシアに対し,ジュネーブ共同声明における約束を遵守し,ウクライナ政府が平和,統一,改革を推進する計画を実施するに当たり,同政府と協力することを求める。
  • ウクライナの主権と領土の一体性の侵害を積極的に支持又は実施してきた個人と団体等に制裁を課すとのG7の決定を確認。クリミア,セヴァストーポリの不承認政策を実施。情勢が必要とすれば,ロシアに更なる負担を課すため,対象を特定した制裁を強化するとともに,重要な追加的制限措置を実施する用意あり。

シリア

 アサド政権の残虐性を強く非難。6月3日の偽りの大統領選挙を非難。アサドに未来はない。ジュネーブ・コミュニケを改めて支持。深刻な犯罪行為に関し,国際刑事裁判所への付託を求める国連安保理決議案に対するロシアと中国の拒否権行使は遺憾。シリア及び周辺諸国への人道支援を呼びかける。シリアにおける化学剤の度重なる使用疑惑を深く懸念し,化学兵器禁止機関(OPCW)の事実調査団への全面的な協力を求める。

リビア

 自由で繁栄し,民主的なリビアへの支持を再確認。最近の暴力に深刻な懸念を表明。全てのリビアの人々に対し,政治プロセスへの関与を要請。リビアの主権尊重と国内問題への不干渉を要請。

マリ及び中央アフリカ

 情勢の安定化への関係者の努力を歓迎。

イラン

 核問題の外交的解決への強い決意を再確認。EU3+3とイランによる努力を歓迎。共同作業計画の実施の重要性を強調。イランに対し,国際原子力機関(IAEA)との協力及び人権上の義務の尊重と共に,シリアを始め地域の安全に一層建設的な役割を果たすことを要請。

北朝鮮

 北朝鮮の核・弾道ミサイル開発の継続を強く非難。北朝鮮に対し,全ての核兵器並びに既存の核及び弾道ミサイル計画を放棄し,関連する国連安保理決議及び六者会合共同声明の下の約束を完全に遵守するよう要請。国際社会に対し,国連制裁の完全な履行を要請。国連調査委員会の報告書に記載された人権侵害について深刻な懸念を表明し,北朝鮮に対し,拉致問題を含め,これらの侵害に対処するため速やかな措置をとるとともに,関連する全ての国連機関に完全に協力することを要請。深刻な人権侵害に対する説明責任の確保を促進するため引き続き協働。

中東和平

 二国家解決に向けた米国の努力を全面的に支持。二国家解決は紛争を解決する唯一の方法。双方に対し,最大限の自制と一方的措置の回避を求める。

アフガニスタン

 長期的関与及び政府との揺るぎないパートナーシップを新たにする。選挙プロセスの完了を期待。アフガニスタン主導の包摂的な和解プロセスを支持。

海洋航行及び飛行

 普遍的に認められた国際法の原則に基づく海洋秩序を維持することの重要性を再確認。東シナ海及び南シナ海での緊張を深く懸念。威嚇,強制又は力により領土又は海洋に関する権利を主張するためのいかなる者によるいかなる一方的な試みにも反対。全ての当事者に対し,領土又は海洋に関する権利を国際法に従って明確にし,主張することを求める。紛争の平和的解決を追求する紛争当事者の権利及び信頼醸成措置を支持。国際法に基づく航行及び上空飛行の自由並びに民間航空交通の効果的な管理の重要性を強調。

その他の問題

 人権と基本的自由の保護・促進への決意を再確認。ジェンダー平等の促進,女性と女児に対するあらゆる形態の差別と暴力の終結を決意。テロ行為への非難と,テロを抑止し対処するため,協力するとの決意を再確認。ボコ・ハラムによる女子生徒誘拐を非難し,ナイジェリア政府を支援。軍縮不拡散問題は最優先事項の1つであり,本日発表された関連の声明を歓迎。

結び

 ドイツ議長の下,2015年に会合することを楽しみにしている。


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