経済外交

G7 ブリュッセル・サミット (概要)

平成26年6月6日

  • ファン=ロンパイ欧州理事会議長と
    バローゾ欧州委員会委員長と握手する安倍総理
    (写真提供:内閣広報室)
  • ワーキングディナー
    (写真提供:内閣広報室)
  • 内外記者会見を行う安倍総理
    (写真提供:内閣広報室)
 6月4日及び5日,G7サミットがブリュッセルで開催されたところ,会合の概要以下のとおり。4日夜の夕食会ではウクライナを中心に外交政策について議論が行われ,会合後に外交政策に関するコミュニケが発出された。
 5日には,外交政策について更に議論されたほか,世界経済,エネルギー・気候変動,開発について議論が行われ,会合後に経済関係のイシューについてのコミュニケが発出された。

1.議題・日程

(1)出席者

 EU:ファン=ロンパイ欧州理事会議長及びバローゾ欧州委員会委員長,独:メルケル首相,伊:レンツィ首相,加:ハーパー首相,仏:オランド大統領,米:オバマ大統領,英:キャメロン首相,日本からは,安倍総理が出席。

(2)日程

6月4日(水曜日)
ワーキング・ディナー:ウクライナ情勢を中心とする外交政策
6月5日(木曜日)
セッション1:外交政策の続き
セッション2:世界経済、エネルギー・気候変動
ワーキング・ランチ:開発、外交政策の続き

2.概要

 ウクライナ情勢を受けたロシアのG8への参加停止により,本年はG7サミットとして開催。G7諸国として,自由,民主主義,開かれた経済・社会,人権,法の支配等の価値の共有に基づき,国際的な課題に挑戦する決意を確認した。

(1)外交政策

(ア)ウクライナ

 ポロシェンコ次期大統領の歓迎,ウクライナ支援の重要性,ロシアに対する外交的解決の呼びかけ等につき一致し,引き続き,G7として一致団結して対応していくことを確認。安倍総理からは,(i)ウクライナの安定確保,(ii)ロシアとの関係を中長期的に検討する必要性を提起。前者については,ウクライナによる改革努力を後押ししていく必要性等を指摘した。後者については,力を背景とする現状変更は許されず,ロシアの行為は許されないとした上で,ロシアを国際社会の諸問題に責任ある立場で関与させていく必要性を指摘した。また,この問題はアジアを含むグローバルな情勢に影響を有するものであり,日本として積極的に議論に参加していくことを表明した。

(イ)東アジア情勢(航行・飛行の自由)

 安倍総理が議論をリード。安倍総理から,航行・飛行の自由に関し,東シナ海,南シナ海における緊張の高まりを紹介し,世界のどこであっても「力を背景とした現状変更」を許してはならないことを訴え,先般シンガポールで総理が表明した3原則,すなわち,いかなる主張も,(i)国際法に基づくべきであり,(ii)力による威嚇は許されず,(iii)平和的に解決されるべき,との原則を説明し,G7各国から強い支持を得た。また,G7首脳は,全ての当事者に対し,領土又は海洋に係る権利の主張を国際法に基づいて明確にし,追求することを求めることで一致した。

(ウ)北朝鮮

 安倍総理から,北朝鮮による核の保有は認められず,北朝鮮は安保理決議を完全に実施すべきであること,先般の日朝合意を紹介しつつ拉致問題の解決の必要性を強く訴えた。これに対し,G7各国首脳から力強い支持が示された。

(エ)その他

 シリア,リビア情勢等についても首脳間で議論を行った。

(2)世界経済

  • (ア)世界経済:堅調な成長に向けた構造改革,財政健全化等の取組について議論を行い,経済のレジリエンス向上との共通の目標をもって,持続可能な成長の実現に向け更なる措置をとることで一致した。冒頭発言を求められた安倍総理から,アベノミクスの第3の矢によって,日本では有効求人倍率が17ヶ月連続で上昇し,1倍を超えていることや女性の活躍が前進していることについて言及しつつ,第3の矢の進捗や財政再建の取組について説明した。これに対し,各国より日本の経済政策について強い期待が表明された。
  • (イ)貿易:成長の原動力となる貿易については,WTOバリ合意の早期実施の重要性を確認するとともに,TPP,日EU・EPA交渉等の可能な限り速やかな妥結を目指すことで一致した。

(3)エネルギー・気候変動

  • (ア)エネルギー:5月に開催されたG7エネルギー大臣会合を受け,エネルギーが政治的な強制の手段や安全保障上の脅威として利用されてはならないことを再確認。ウクライナ支援に限らず,エネルギー源の多様化,供給源の多角化を含め,エネルギー安全保障の強化について幅広く議論した。
  • (イ)気候変動:2020年以降の新たな国際枠組みを合意することとなっているCOP21や,9月に予定されている国連事務総長主催の気候サミットについて首脳間で議論。

(4)開発

 ポスト2015年開発アジェンダの策定に向けたG7による政治的後押しの重要性,アフリカにおける成長の促進及び恒久的平和の前提条件となる安定と開発の重要性等について議論。安倍総理からは,ポスト2015年開発アジェンダは,人間の安全保障を指導理念とし,包摂性,持続可能性,強靱性を最大限考慮した枠組みとすべきであり,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジや防災がしかるべく位置づけられるべき,来年3月の日本における第3回国連防災世界会議への協力を期待している旨表明し,各国の理解が得られた。その他,女性のエンパワーメントの実現に向けた支援の実施につき説明し、他国から評価を得た。

3.次回サミット

 メルケル独首相より,来年のサミットをバイエルン州エルマウ城にて開催する旨発言があり,各国首脳よりこれを歓迎した。


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