自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA)
第3回RCEP首脳会議の開催
令和元年11月4日

(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
本4日,ASEAN関連首脳会議に出席するためタイを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,RCEP交渉参加16か国によるRCEP首脳会議に出席したところ,概要は以下のとおりです。
- 冒頭,議長のプラユット・ジャンオーチャー・タイ首相から,第3回RCEP首脳会議への参加を歓迎する旨の発言がありました。
- (1)安倍総理は,発言の中で,議長国のプラユット首相のイニシアティブに謝意を表明しました。
- (2)また,日本が,自由貿易の旗手として自由で公正なルールを世界に広めきた旨述べ,本年,大阪で開催したG20サミットの首脳宣言において,「自由,公正,無差別で透明性があり予測可能な安定した貿易及び投資環境」の実現に努力することを謳ったことを想起した。そして,RCEPは,16か国をあわせれば,人口は世界の半分,GDPは世界経済の3割を占めており,世界最大の経済圏となることから,その戦略的・経済的意義は極めて大きいと述べました。さらに,デジタル化が急速に進むインド太平洋地域において,自由で公正な貿易体制を構築することを目指して,約7年間にわたり奮闘してきた結果,電子商取引,知的財産などの分野において,確固たるルールを構築することができたことを嬉しく思う旨述べました。
- (3)今後は,16か国で,市場アクセスも含め,早期に交渉を妥結し,未来を見据えた世界最大の自由で公正な経済圏を完成させることを目指す旨,また,そのことが,日本の掲げる「自由で開かれたインド太平洋」の実現にも資すると信じている旨述べました。さらに,日本は,「共同首脳声明」の採択を支持し,来年の議長国ベトナムと協力して,世界に誇れるRCEP協定の署名を2020年に実現させるべく,引き続き主導的な役割を果たす決意を表明しました。
- その他の出席者からは,以下のような発言がありました。
- RCEPは貿易,経済成長,イノベーションの重要な源泉となる。積み残された問題を早急にとりかかり,署名できるように交渉官に指示したい。
- 昨年の首脳会議の時点では7つの章がまとまっていただけだったが,いまやフィニッシュラインに近いところまできている。
- まとまれば地域経済への強いはずみとなる。意見の違いを解決しないといけないが楽観視している。16か国が努力すべき。
- 未解決で残ったインドが懸念する問題を解決すべく努力したい。
- 緊密にインドと努力をしながら,市場アクセスの成果を出し,インドがRCEPに入ることを可能なようにする必要がある。それは16か国が受益者になるということ。
[参考]RCEP交渉参加国
ASEAN10か国(ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム)
オーストラリア,中国,インド,日本,韓国,ニュージーランド