核軍縮・不拡散
第29回アジア輸出管理セミナー

2023年2月14日から15日まで、第29回アジア輸出管理セミナーが一般財団法人安全保障貿易情報センターの主催、外務省及び経済産業省の共催により開催され、30か国・地域と8の国際機関等から約150人が参加しました。
1 背景
アジア各国・地域は経済成長に伴い、大量破壊兵器等に転用可能な物資・技術の生産拠点や中継貿易地として発展を続けており、懸念国等による違法な調達活動に意図せず関わる危険性が高まっています。本セミナーはこうした状況を背景に、アジア各国・地域の輸出管理担当者の認識向上と能力構築を図り、我が国の安全保障にも直結するアジアの不拡散体制を強化することを目的に平成5年から開催されています。
2 概要
(1)開会挨拶
冒頭、武井俊輔外務副大臣から、国際社会の平和と安定のために、不拡散の分野を含めた、G7議長国として我が国が果たすべき役割を強調するとともに、国際安全保障を確保するために、各国が国際輸出管理レジームに沿って輸出管理を行うことの重要性を指摘しました。また、輸出管理は安保理決議の履行のためにも重要であることを踏まえ、平和で安定した世界の実現に向け、不拡散コミュニティが全体として取組を進めるため、本セミナーを通じて輸出管理上の課題認識を共有し、知見を深めてほしいと述べました。(第29回アジア輸出管理セミナー 武井外務副大臣挨拶(PDF) )。
(2)アジアの輸出管理強化
バングラデシュ、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、パキスタン、シンガポール、タイ、中国、香港、インド及び韓国の代表から、各国・地域の輸出管理制度の現状について報告が行われました。
(3)近年の動向を踏まえた各国の取組
先端技術の重要性の高まりを踏まえた産学へのアウトリーチについて有識者とのパネルディスカッションが行われ、我が国、米国、EU、ドイツ及びフィリピンの代表から、各国の課題認識を共有され、現状の取組について説明が行われました。
(4)国際的な枠組みにおける活動
国連安保理1540委員会専門家グループ、国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル、国連政治・平和構築局及び化学兵器禁止機関の代表から、各機関の取組について紹介が行われました。また、国際輸出管理レジーム(原子力供給国グループ、オーストラリア・グループ、ミサイル技術管理レジーム及びワッセナー・アレンジメント)の各代表から、報告が行われました。
3 参加国・地域・国際機関等
(1)アジア(16か国・地域)
我が国、バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、香港及び台湾
(2)アジア域外(14か国・地域)
豪州、カナダ、エクアドル、EU、ドイツ、ハンガリー、ラトビア、メキシコ、オランダ、スロバキア、スイス、アラブ首長国連邦、英国及び米国
(3)国際機関等(8団体)
国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル、国連安保理 1540 委員会専門家グループ、国連政治・平和構築局、化学兵器禁止機関及び国際輸出管理レジーム(オーストラリア・グループ、ミサイル技術管理レジーム、原子力供給国グループ及びワッセナー・アレンジメント)