核軍縮・不拡散
河野外務大臣と天野国際原子力機関事務局長との会談
平成30年2月15日
15日午後14時頃から約1時間,ウィーンを訪問中の河野太郎外務大臣は,天野之弥国際原子力機関(IAEA)事務局長と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
なお,会談に先立ち,河野外務大臣と天野事務局長の立ち会いの下,北野充在ウィーン代表部大使及びホアン・カルロス・レンティッホIAEA事務次長の間で「東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の機会における核セキュリティ措置の実施支援分野における日IAEA間の実施取決め」の署名式を行いました。
- 天野事務局長から,北朝鮮の核問題はIAEAの優先課題であり,今後の情勢が許せば,北朝鮮に査察官を派遣する用意があると述べました。これに対し,河野大臣から,制裁による圧力を最大限高め,北朝鮮を核兵器の廃棄に向かわせる必要がある,IAEAが北朝鮮での活動を再開する場合の人員や機材等にかかる初期コストを支援する用意があり,IAEAが北朝鮮での活動を再開した場合に,迅速な初動が確保できるように一層緊密に連携をしていきたい旨述べ,北朝鮮の非核化プロセスでIAEAが中心的役割を担うことを確認しました。河野大臣は,天野事務局長との会談の一環として,IAEAのこれまでの知見・経験を踏まえ,北朝鮮の核問題に関するIAEAの活動等について北朝鮮担当部局の専門家から説明を受けました。
- 天野事務局長は,イランの核合意の今後は不透明であるが,IAEAとしては,引き続き合意の履行検証を行っていくと述べたのに対し,河野大臣からも,日本として核合意を支持しており,IAEAによる核合意履行の検証・監視の取組を評価している旨述べました。
- 河野大臣から,天野事務局長のイニシアティブである「平和と開発のための原子力」に関して,IAEAが,原子力を利用した保健・医療,食料・農業,水・環境等様々な分野で,途上国の開発を推進していることについて,SDGs達成にも大きく貢献するものとして,日本として強く支持している旨述べると共に,平和的利用イニシアティブ(PUI)を通じ,327万米ドル(3億6千万円)の拠出を決定した旨伝達しました。