核軍縮・不拡散

創設35周年記念メッセージ

令和4年11月29日

 本年は、MTCRの創設35周年に当たる。参加国は、当初の7か国から35か国に拡大し、MTCRがミサイル技術に関連する効果的な多数国間の不拡散機構であることを証明している。この35年間に策定された関連品目の輸出管理、情報共有及び協力様式は、正当な貿易及び協力を妨げることなく、拡散者の機材、技術及び知識の入手可能性を著しく減少させた。MTCRは、不拡散の目的達成のための互恵的な多数国間協力の好例である。

 大量破壊兵器(WMD)及びその運搬手段の拡散は、引き続き国際の平和及び安全に対する脅威である。参加国は、弾道ミサイルの開発及び実験、地域問題及び懸念するミサイル開発、WMD運搬手段の開発を支える拡散動向、調達活動及び戦略展開、無形技術移転が提起する重大リスク及び課題、リスト規制外品目のキャッチオール規制、通過及び積替えの問題、産業界へのアウトリーチ並びに輸出管理の執行強化の各国経験を含む問題について議論している。参加国は、MTCR附属書を科学技術の進歩に合わせて定期的に更新している。

 MTCRガイドライン及び同附属書は、ミサイル関連品目及び技術の輸出管理の国際的な最良の事例の基準を構成し、より多くの非加盟国によって遵守及び参照され、国連安保理決議に挙げられている。MTCRガイドラインは、該当活動がWMD運搬手段の拡散の原因となり得るものでない限り、宇宙計画を含む技術進歩や国際協力及び開発を阻害するものではない。

 MTCRは、WMD運搬可能なミサイル・システム並びにその関連技術及び機材設備の拡散を制限するため、非参加国へのアウトリーチを継続する。できるだけ多くの国がMTCRガイドラインを遵守することにより、WMD運搬システムの進行中の拡散リスクを持続可能な形で制限し、国際の安全を促進することができる。参加国は、MTCRガイドライン及び同附属書の遵守についての自主的な宣言を非参加国に求める。現在のMTCR遵守非参加国は、エストニア、カザフスタン及びラトビアを含む。


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