核軍縮・不拡散

平成26年1月24日

 2013年12月3~4日、ウィーンにおいてワッセナー・アレンジメント(WA)(注1)の第19回総会が開催されたところ、同総会の後に発出された報道機関向け資料の主要点は以下のとおり。

1 総論

 WAは、通常兵器及び関連汎用品・技術の移転における透明性とより大きな責任を促し、不安定化をもたらす通常兵器の蓄積を防止することにより、国際及び地域の安定と安全に貢献する努力を継続してきた。WA参加国は、特定の地域に焦点を当てつつ、通常兵器及び関連汎用品の移転に関連するリスクについての情報交換を行うため、地域の情勢に関する議論を定期的に実施している。また、WA参加国は、技術、研究等の進歩に対応していくため、懸念のある新興技術を含め、新たな課題に取り組んでいくことで合意した。

2 規制リストの改正等

 WA参加国は、既存の規制リストを一層分かりやすく、かつ、審査当局や輸出者にとって使いやすいものとするため、また、好ましくない輸出の探知及び拒否ができるようにするために取り組んできた。本年は、WAの規制品目リストの継続的な妥当性を維持するために行っている同リストの包括的かつ計画的な見直しに関する進展があった。
 2013年においては、多くの分野(ある一定の状況の下では国際及び地域の安全及び安定に悪影響を及ぼし得る偵察及び法執行のための機器、情報収集のための機器並びにインターネット・プロトコルの監視システム又は機材を含む。)において新たな輸出管理に合意した。また、WA参加国は、慣性航法装置又はシステムに関する既存の規制を更に明確化するとともに、計装用記録装置及びデジタル・コンピュータに対する規制等を緩和した。
 WA参加国は、不安定化をもたらす通常兵器の蓄積の防止、最終需要(者)の証明及び通過、積替え、仲介、再輸出に関する規制並びにキャッチオール規制のような輸出管理の実施の強化を目的とした情報及び意見の交換を継続した。また、産業界の関与及び民間団体における輸出管理内部規程に関する情報の交換も行われた。

3 アウトリーチ活動の継続

 WAは、WAに参加していない国がWAの基準を自主的に遵守することを促進するため、多大な努力を行ってきた。WAは、その目標と目的を実現するため、特に、WAのベスト・プラクティスに関する文書の普及を促進する総会後のブリーフ及び非参加国との協議(アウトリーチ訪問や産業界との連携を通じたものを含む。)を通じて、アウトリーチ活動を継続する。WA総会は、複数の非参加国に対し、規制リストの改訂について説明を行う強化された技術ブリーフを2014年も継続して実施することを決定した。また、WAは、関連する活動を行う他の適切な地域機関及び国際機関との交流を継続する。原子力供給国グループ(NSG)との間で規制リストに関する非公式の交流を継続した。

4 武器貿易条約(ATT)

 本年、WA参加国は、2013年4月2日に国連総会において武器貿易条約が採択されたことを歓迎した。WA参加国は、ATTが提案しているとおり、輸出管理に関する自国の経験及び知識を他国と共有する用意がある。WA総会は、WA事務局に対し、ATTに関する国際的な協力にWAが貢献する機会を探るよう要請した。

5 新規参加

 WA総会は、WAが、参加基準を満たした全ての国に平等に新規参加の門戸を開いていることを再確認した。本年、WAは、将来の新規参加に関する戦略的な事項についての議論を開始した。

6 WAの機能の評価と見直し

 WA総会は、WAの全体的な機能の評価と見直しを行い、その有効性と効率性を改善するための広範囲にわたる取組である次回の機能見直しを、前回の見直しの5年後に当たる2016年に行うことを決定した。

7 今後の予定

 次回のWA総会は、2014年12月にウィーンで開催される。2014年1月1日から、エストニアが同総会議長、ルーマニアが一般作業部会議長を務める。また、昨年に続き、韓国が専門家会合議長、米国が審査官・執行官会合議長を務める。

  • (注1)ワッセナー・アレンジメントとは、(1)通常兵器及び関連汎用品・技術の過度の蓄積を防止することによって、地域及び国際社会の安全と安定に寄与し、(2)グローバルなテロとの闘いの一環として、テロリストグループ等による通常兵器及び関連汎用品・技術の取得を防止することを目的とする国際的な輸出管理レジーム。
  • (注2)規制リストやベストプラクティス・ガイドラインを含むWAの主な文書はWAのウェブサイト別ウィンドウで開くに掲載されている。
  • (注3)同総会にて発出された対外発表はWAのウェブサイト別ウィンドウで開くに掲載されている。


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