科学技術

平成30年4月10日
(写真1)ジャパン・ハウスにおける講演会の様子
(写真2)ジャパン・ハウスにおける講演会の様子

 平成30年3月28日,SIPキャラバンの一環として,竹村科学技術振興機構(JST)参事役がサンパウロを訪問し,ジャパン・ハウスにて講演を行いました。講演会には約100名の参加がありました。概要は以下のとおりです。なお,今回は,岸外務大臣科学技術顧問の代理で,同参事役が発表を行いました。

  1. 冒頭,東京大学アタカマ天文台(TAO)で撮影した天体映像を背景に東京藝術大学オーケストラが演奏する映像が流れました。続けて,野口サンパウロ総領事,パシェッコ・サンパウロ州立研究支援財団CEO,ヒラタ・ジャパン・ハウス館長より,本イベントにより日ブラジル協力関係が促進されることを期待する旨の開会・歓迎挨拶がなされました。
  2. 日本側からは,岸田外務省国際科学協力室科学技術専門員より科学技術顧問の活動について,竹村参事役より日本の科学技術イノベーション政策及びSIP革新的構造材料課題について説明を行いました。
  3. ブラジル側からは,パシェッコCEOよりサンパウロ州の科学技術事情及び同財団の活動について,ロンゴ・サンカルロス連邦大学校材料機能研究所教授より,銀を半導体に内蔵することで通常の2倍程度の殺菌効果が認められた研究等について,さらに,カマルゴ・サンカルロス連邦大学校機能性材料開発センター教授(国費留学生として東工大に留学経験あり)からは,「Better Chemistry for Better Materials」として同センターにて研究を行っている保健,環境,エネルギー分野におけるスマート材料(1つの材料で複数の応用が可能)についての紹介がありました。また,カマルゴ教授からは,基礎研究と応用研究の間にジレンマはなく,基礎科学を使って多くの成果が出ている点が強調されました。
  4. 質疑応答では,日本の科学技術はブラジルの輸送手段の構築に貢献できるのではないか,日本と共同研究を推進していく関係をどのように密にしていけるか等,活発な意見交換がなされました。
  5. 終了後に回収したアンケートにおいては,「今後の両国間の協力に繋がる良い機会だと思う」といった反響があり,日本についての好感度が高まったという回答が98%(うち非常に高まったが65%)を占めました。また,日本の政策についてより詳しい情報が欲しいとの声が寄せられました。
(参考)ジャパン・ハウス
 ジャパン・ハウスは,日本に関する様々な情報がまとめて入手できるワンストップ・サービスを提供するとともに,レストラン,ショップ等を設置し,民間の活力,地方の魅力なども積極的に活用したオールジャパンでの発信を実現し,更に,専門家の知見を活用しつつ,「世界を豊かにする日本」を発信することをコンセプトとした新たな発信拠点。日本の多様な魅力を浸透させ,知日派・親日派の裾野を一層拡大することを目的とする。今後,ロンドン及びロサンゼルスが全館開館予定。
(注)SIPキャラバン:
 外務大臣科学技術顧問(外務省参与)の活動の一環として,我が国の科学技術外交の発信とともに,内閣府との連携により,「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」に代表される我が国の科学技術イノベーションの取組について,我が国の在外公館等を通じて現地科学技術関係者(政府政策担当者,研究機関・大学関係者等),外交・国際機関関係者等に向けた発信・ネットワーキング事業を行い,科学技術分野における将来の国際協力や我が国の研究開発成果の国際展開の布石とする取組。

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