核軍縮・不拡散
グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長の訪日(結果)
ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長(H.E. Mr. Rafael Mariano Grossi, Director General of the International Atomic Energy Agency)は,2月25日から2月28日まで外務省賓客として訪日し,安倍総理大臣への表敬,茂木外務大臣との会談をはじめ,我が国政府要人との会談を行ったほか,原子力関係者との意見交換,東京電力福島第一原子力発電所及び廃炉資料館の視察等を実施しました。概要は以下のとおりです。
1 政府関係者との会談




(3)関係閣僚等との会談(2月25日及び2月27日)


竹本内閣府特命担当大臣,梶山経済産業大臣,萩生田文部科学大臣,秋葉外務次官及び更田原子力規制委員会委員長と個別に会談を行い,日IAEA関係強化の具体的方途及び我が国の原子力政策・規制等について意見交換を行った。
2 IAEA東京地域事務所訪問及び原子力関係団体との懇談


2月25日,グロッシーIAEA事務局長は,IAEA東京地域事務所を訪問し,IAEA査察官を含む同事務所職員に対する激励を行った。また,内閣府原子力委員会や,経団連主催の我が国の原子力関連企業との懇談に出席し,日本並びに日本を取り巻く原子力産業の現状等について意見交換を行った。
3 東電福島第一原発及び廃炉資料館の視察

2月26日,グロッシーIAEA事務局長が東電福島第一原発及び廃炉資料館を訪問した際,東京電力及び経済産業省から,同原発の廃炉・処理水の取扱いに関する検討状況等につき説明を行った。グロッシー事務局長からは,ALPS処理水の処分方法の決定は日本政府が行うとした上で,日本政府による判断がなされた際には,その実施について,例えばIAEAが放射線モニタリングを行うなどの支援を行う用意があり,また,IAEAはALPS処理水の処分が国際基準を下回る形で行われているという安心を人々に提供するための支援ができる等の発言があった。
4 メディアインタビュー及び大阪大学等訪問

- (1)2月27日,グロッシーIAEA事務局長は,国内外のメディアに対し,IAEAによる核不拡散,原子力安全等の取組につき説明を行うとともに,東電福島第一原発の廃炉・処理水対策等につき,IAEAが日本と引き続き緊密に協力していく旨述べた。
- (2)2月27日,グロッシーIAEA事務局長は,大阪大学及び島津製作所本社を訪問し,我が国による原子力技術の応用に関する取組につき説明を受けた。
[参考]
ア 2017年10月,島津製作所はIAEAと協力覚書に署名し,IAEAのサイバースドルフ研究所に質量分析計を贈与。
イ 2018年11月,大阪大学が中心となり,国内の大学・医療機関(合計11機関)からなる核医学コンソーシアムはIAEAとの間で,核医学分野における協力強化に向けた実施取決めを締結。