核軍縮・不拡散

平成29年6月12日
  1. 本1日,中根科学技術協力担当大使は,IAEA(国際原子力機関)本部にて開催中のIAEA技術協力国際会議に出席し,ASEAN,中南米カリブ,欧州,アフリカ地域における合計5件のIAEAが実施する技術協力プロジェクトに対して,我が国拠出の平和的利用イニシアティブ(PUI)を通じ,総額約130万米ドルの支援を行うことを発表しました。
  2. これらのプロジェクトは,ペルーにおける洪水被害に対する緊急支援,ASEAN地域の原子力緊急事態への準備・対応支援,中南米カリブ地域における放射性廃棄物管理のための規制枠組みの強化及び技術的能力の向上支援,さらには欧州及びアフリカにおける感染病対策への支援を実施するものです。

(参考)

  1. IAEA技術協力国際会議(International Conference on the IAEA Technical Cooperation Programme)は,IAEA創設60周年に際し,IAEAによる技術協力支援及び持続可能な開発目標の(SDGs)達成に向けた支援に関する会合。
  2. 平和的利用イニシアティブ(PUI:Peaceful Uses Initiative)は,2010年に開催された核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議において,原子力の平和的利用分野におけるIAEAの技術協力活動を促進するための追加的な財源として設立。 日本はPUIを通じて,発電(原子力安全・放射線防護)及び非発電分野(保健・医療,食糧・農業,水資源管理等)における70件以上のIAEA技術協力プロジェクトを支援してきた。
  3. 今次支援を発表した5案件
    (1)ペルーにおける洪水被害に対する緊急支援(携帯型医療用X線装置セットの機材供与)
    割当額:約14.5万米ドル
    裨益国:ペルー
    (2)ASEAN地域の原子力緊急事態への準備・対応支援
    割当額:約30.2万米ドル
    裨益国:ASEAN等10か国
    (3)中南米カリブ地域の放射性廃棄物管理のための国家レベルの規制枠組み及び技術的能力の向上支援
    割当額:約9.4万米ドル
    裨益国:アルゼンチン,エクアドル,ベネズエラ等19か国
    (4)欧州地域のヤブ蚊に対する遺伝制御プログラムの構築支援
    割当額:約16.4万米ドル
    裨益国:アルバニア,ボスニアヘルツェゴビナ,モンテネグロ等12か国
    (5)アフリカ地域におけるエボラウィルスを含む家畜病の診断能力の強化及び早期警戒システムの構築
    割当額:約62.8万米ドル
    裨益国:エチオピア,マリ,ルワンダ等43か国

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