核軍縮・不拡散

平成30年4月24日
河野外務大臣の2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第2回準備委員会における一般討論演説1
河野外務大臣の2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第2回準備委員会における一般討論演説2
河野外務大臣の2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第2回準備委員会における一般討論演説3

1 24日12時30分頃(日本時間24日19時30分頃),河野太郎外務大臣はジュネーブで開催中の2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第2回準備委員会に出席し,一般討論演説仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)を行いました。

2 河野大臣は,本演説において,NPTが国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であり,NPTを中心とした国際的な核・不拡散体制のこれまでの成果に言及するとともに,核軍縮と安全保障を同時に追求する努力が求められる点を強調しました。また,人道と安全保障の2つの観点を両立させつつ,核兵器国,非核兵器国双方の協力の下で,現実的・実践的な取組を着実に積み上げていくことが日本が信じる核兵器のない世界への道筋であり,最も普遍的な枠組みであるNPTの維持・強化は,日本の取組の中心的な存在であり続ける旨述べました。

3 また,河野大臣は,「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」の提言は,異なる立場を収斂するための具体的な方策や今後解決していくべき問題を提起しており,国際社会にとり参考になる有益なものであるとした上で,提言で示されている橋渡しの取組のうち,日本としてNPT締約国に具体的な取組を呼びかけていきたい点として,(1)透明性の向上に向けた取組,(2)核軍縮検証メカニズムの構築に向けた取組の強化,(3)核兵器国と非核兵器国の両者を巻き込んだ対話型討論の必要性について挙げつつ,NPT締約国に活発な議論を呼びかけました。

[参考]核兵器不拡散条約(NPT)

(1)概要

  • 1968年に署名開放され,1970年に発効(25年間の時限条約)。我が国は1970年署名,1976年批准。1995年にNPTの無期限延長に合意。NPT条約は,核軍縮・不拡散体制の基礎となる,核兵器国を含む最も普遍的かつ重要な条約となっている。

(2)条約の目的と内容(PDF)別ウィンドウで開く

  • ア 核不拡散:米,露,英,仏,中の5か国を「核兵器国」と定め,「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。
      (参考)条約第9条3「この条約の適用上,「核兵器国」とは,1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」
  • イ 核軍縮:各締約国による誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。
  • ウ 原子力の平和的利用:原子力の平和的利用は締約国の「奪い得ない権利」と規定するとともに(第4条1),原子力の平和的利用の軍事技術への転用を防止するため,非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。

(3)NPTへの加入状況(PDF)別ウィンドウで開く

  • 締約国は191か国・地域(2018年4月現在)。非締約国はインド,パキスタン,イスラエル,南スーダン。

[参考2]NPT運用検討会議第2回準備委員会(2018 Preparatory Committee for the 2020 Nuclear Non-Proliferation Treaty Review Conference)

(1)概要

  • ア NPT条約においては,5年毎の運用検討会議でNPT3本柱(核軍縮・不拡散・原子力の平和的利用)の実施状況を検討し,成果文書の採択を目指すが,2015年に実施された前回の運用検討会議は決裂。次回運用検討会議は,条約発効50年となる2020年に開催される。
  • イ 運用検討会議に先立つ3年間,毎年1回の準備委員会が開催され、NPT3本柱に関する議論を行い,運用検討会議に勧告を行うことを目指す。各々の準備委員会では議論を取りまとめた議長サマリーが発出される予定。
  • ウ 我が国は,第2回準備委員会において作業文書の提出等を通じて貢献している。

(2)日時

  • 2018年4月23日(月曜日)~5月4日(金曜日),於:スイス・ジュネーブ

(3)議長

  • 議長には,ブガイスキー・ポーランド在ウィーン代表部大使が就任。

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