岸田外務大臣
第15回ASEAN+3(日中韓)外相会議(概要)



8月9日(土曜日)午後1時45分から午後3時15分(現地時間)まで,ミャンマー・ネーピードーにおいてASEAN+3外相会議が開催され,我が国から岸田文雄外務大臣が出席したところ,概要次のとおり(議長:ワナ・マウン・ルイン・ミャンマー外相)。
1 国際情勢・地域情勢
(1)日中韓協力
岸田大臣から,日中韓投資協定の発効,4回にわたる日中韓FTA交渉会合の開催を取り上げ,経済分野の協力が進展していることを歓迎した。さらに,引き続き幅広い分野において日中韓協力を未来志向で強化していきたい旨述べた。
(2)北朝鮮
ア 岸田大臣から,北朝鮮により繰り返される弾道ミサイル発射等を指摘し,北朝鮮のウラン濃縮活動を含む核関連活動やミサイル開発は安保理決議及び六者会合共同声明の違反であり,国際社会の脅威である旨述べた。
イ また,岸田大臣は,北朝鮮による拉致被害者を含む全ての日本人に関する包括的・全面的な調査の開始に触れ,その進捗を注意深く見極める必要があるとしつつ,拉致問題は我が国の主権及び国民の生命・安全に関わる重大な問題であるとして改めて各国の理解と協力を求める旨述べた。
2 ASEAN+3協力のレビューと将来の方向性
(1)金融協力
岸田大臣から, ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)設立協定について,各国が署名のためのそれぞれの国内手続の完了に向けて努力していることを歓迎する旨述べた。また,強化されたチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)が発効したことを歓迎する旨述べた。
(2)経済・貿易
岸田大臣から,東アジア地域包括的経済連携(RCEP)について,2015年末までの交渉完了及び包括的かつ高いレベルの協定を目指し,ASEAN+3各国とも緊密に協力していきたい旨発言した。
(3)石炭火力
岸田大臣から,石炭火力が経済性,供給安定性に優れており,その高効率化が現実的な気候変動対策である点を指摘した上で,関係国の高効率化に貢献したいとの意向を表明した。
(4)原発事故を受けた日本産品輸入規制
岸田大臣から,日本産品輸入規制の緩和・撤廃について,引き続き各国に働きかけた。
(5)食料安全保障
岸田大臣から,2013年以降,我が国がASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)協定の枠組みを通じ,ラオスの洪水被害やフィリピンの台風被害に対して米の支援を実施している旨紹介し,複数の国から,我が国の支援に対する謝意が述べられた。
(6)東アジア・ビジョン・グループII
岸田大臣から,東アジア・ビジョン・グループII(EAVGII)報告書のフォローアップへの貢献を表明した。