ASEAN(東南アジア諸国連合)
日ASEAN外相会議



1 冒頭
エルワン・ブルネイ第二外務貿易大臣から,日ASEAN友好協力関係45周年への祝意とともに,これまでの日本によるASEANに対する協力等に謝意が表された。
これに対し,河野大臣から,就任以来,約1年間でASEAN10か国全てを訪問したことを紹介しつつ,日本は,ASEANを重視している旨強調した。さらに,河野大臣から,本年の日ASEAN友好協力45周年の機会に,日ASEAN技術協力協定について,実質合意に至ったことを嬉しく思う旨述べた。
2 日ASEAN協力のレビュー及び将来の方向性
エルワン大臣がASEANを代表して,日本のASEANに対する協力についてレビューした上で,様々な分野で日ASEANの友好協力関係を進めていきたい旨発言があった。また,ASEAN各国からも防災等の分野別協力,人材育成や人的交流を始め,日本の対ASEAN支援について謝意が表明された。
これに対し,河野大臣からは,日本がこれまで約束した様々な協力を着実かつ誠実に実施してきている旨述べつつ,日本が「ビジョン・ステートメント実施計画」改訂版に沿ってASEANの統合努力を引き続き支援していく旨発言した。また,河野大臣からは,人材育成,教育,環境,福祉,質の高いインフラやシンガポールが推進するASEANスマートシティネットワーク等への協力を拡大していきたい旨も併せ発言した。
3 地域・国際情勢
(1)インド太平洋
河野大臣から,我が国は,インド太平洋において,法の支配,連結性の強化,自由貿易の推進を重視していることに触れつつ, 包括性,包摂性,透明性,ASEAN中心性・一体性の重視等の推進に向けて共に取り組んでいきたい旨発言した。
(2)北朝鮮
河野大臣から,国際社会として米朝のプロセスを後押しすべきことを指摘した。また,河野大臣からASEAN各国による安保理決議の履行が重要である旨述べた上で,「瀬取り」対策を含め,「抜け穴」を塞ぐ取組の維持・強化の重要性を訴えた。さらに,拉致問題について協力を求めた。
(3)南シナ海
河野大臣から,COCの交渉をはじめとするASEANの外交的取組に敬意を表するとともに,南シナ海の状況に深刻な懸念を表明した上で,一方的な現状変更や緊張を高める行為は受け入れられないこと,ASEANによる取組の進展が,現場の「非軍事化」や平和で開かれた南シナ海の実現につながるべき旨発言した。