大韓民国

令和元年12月24日
(写真1)握手を交わす日韓両首脳(写真提供:内閣広報室) 握手を交わす日韓両首脳
(写真提供:内閣広報室)
(写真2)日韓首脳会談(写真提供:内閣広報室) 日韓首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 12月24日午後2時頃(現地時間)から約45分間,日中韓サミット出席のために中国・成都を訪問中の安倍総理大臣は,文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との間で日韓首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1 冒頭発言

 安倍総理から,日韓両国はお互いにとって重要な隣国同士であり,北朝鮮問題を始めとする安全保障に関わる問題について,日韓,日韓米の連携は,極めて重要である,自分としては,重要な日韓関係を改善しなければならないと考えている旨述べた。
 これに対して,文大統領から,歴代最長の総理在任及び令和初の総理となられたことをお祝いする,令和の意味どおり,美しい調和の下,日本の発展と繁栄が継続することを願っている旨述べた。

2 日韓関係

(1)安倍総理から,日韓関係は非常に厳しい状況にあるが,こうした状況になっている根本原因は,旧朝鮮半島出身労働者問題に係る大法院判決にある,これは,国交正常化の基礎となった日韓関係の法的基盤の根本に関わる問題であり,韓国には,国家として,日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけを作ることを求める旨述べつつ,韓国側の責任で,解決策を示すよう強く求めた。あわせて,安倍総理から,問題解決のため外交当局間の意思疎通を続けていく旨を述べ,文大統領に対し直接,本件の早期解決を求めた。これに対し,文大統領から,この件についての韓国側の立場は繰り返さないが,この問題の解決の重要性については認識しており,早期に問題解決を図りたい旨述べた。その上で,両首脳は,旧朝鮮半島出身労働者問題について,問題解決に向けた外交当局間の協議を継続していくことで一致した。

(2)安倍総理から,両国関係がこのように困難な状況にある時だからこそ,両国国民間の様々なレベルの交流が重要である旨述べつつ,来年には東京オリンピック別ウィンドウで開くを控えており,その観点からも,両国政府が様々な交流の重要性につき発信していくことが重要である旨述べた。これに対し,文大統領から,安倍総理の認識に全面的に賛同する旨の発言があり,両首脳は,様々なレベルでの交流が重要であるとの点で一致した。

(3)加えて,安倍総理から,東京電力福島第一原発の処理水について,これまでも,韓国を含む国際社会に対し透明性を持って情報提供してきており,今後もその方針は不変である旨述べ,韓国側に対し,国際場裏における対応を含め,抑制的な対応を求めた。

3 北朝鮮情勢

 安倍総理から,北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて,引き続き米朝プロセスを最大限後押ししていくことが重要である,安保理決議の完全な履行を含め,日韓,日韓米で緊密に連携することが重要である旨述べた。また,拉致問題の解決に向け,引き続き韓国側の協力を得たい旨述べた。これに対し,文大統領から,拉致問題の重要性についての日本側の立場に理解を示した上で,韓国として北朝鮮に対し拉致問題を繰り返し取り上げている旨の発言があった。
 その上で,両首脳は,北朝鮮情勢に関して,日韓,日韓米の連携の重要性について改めて確認した。

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