アジア
平成29年2月7日
1. 日本海呼称問題の概要
日本海は、アジア大陸北東に位置し、日本列島及びサハリンによって北太平洋から切り離されている海域です。
歴史的にみれば、この「日本海」の呼称は、18世紀の終わりから19世紀の初めにかけてヨーロッパにおいてまず確立したものであり、その後、約200年にわたって安定的に使用されています。また、大洋から分離された海域の命名方式には海域を隔離する主要な列島弧や半島の名にちなむものが多いと言えます。「日本海」という呼称も、この海域が存立するのに不可欠な「日本列島」によって北太平洋から切り離されている」という地理的形状に着目したものであり、こうした地理的特性の故に、広く一般に受け入れられるようになったものだと考えられます。さらに、現在では、韓国及び北朝鮮を除く世界の主要各国の地図の97%以上が「日本海」という呼称のみを使用しており、広く国際的に定着しています。
しかし、1992年の第6回国連地名標準化会議において、韓国及び北朝鮮は「日本海」の呼称変更を突然提起し、その後も国連の関連会議や国際水路機関(IHO)の会合などの国際会議において、この問題を再三提起しています。その具体的主張は「日本海」の呼称が一般的になったのは、20世紀初頭における日本の拡張主義・植民地主義の結果であるから、当該海域の名称を韓国及び北朝鮮が使用する「東海」に改称すべき、あるいは「東海」と「日本海」の併称とすべきであるというものです。しかし、この韓国及び北朝鮮の主張は、根拠のないものであり、これを押し通すには大きな無理があります。