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草の根・人間の安全保障無償資金協力

1.概要

(1) 草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下、「草の根無償))は、開発途上国の多様なニーズに応えるために1989年に導入された制度である。
(2) 草の根無償は、開発途上国の地方公共団体、教育・医療機関、並びに途上国において活動している国際及びローカルNGO(非政府団体)等が現地において実施する比較的小規模なプロジェクト(原則1,000万円以下の案件)に対し、当該国の諸事情に精通しているわが国の在外公館が中心となって資金協力を行うものである。
(3) 本スキームは、開発途上国の草の根レベルに直接裨益するきめ細かい「顔の見える援助」であり、また、機動的な対応が可能な「足の速い援助」であるという特徴を有している。
(4) なお、開発途上国において日本のNGOが実施する草の根レベルの経済・社会開発協力事業については「日本NGO支援無償資金協力」を通じ、また、開発途上国におけるNGOや地方公共団体が実施する文化・高等教育振興事業については「草の根文化無償資金協力」を通じそれぞれ支援を実施する。

2.実施対象国・地域

(1) 2006年4月現在、132カ国、1地域におけるプロジェクトを支援対象としている(対象国・地域一覧)
(2) 実施対象国・地域は、原則、1)当該開発途上国の所得水準、貧困格差、2)当該国における市民社会の活動状況、3)草の根無償を実施した場合の援助効果、を考慮して決定される。

3.供与限度額

 原則1,000万円以下(プロジェクトの内容に応じ最大1億円まで認められる。但し、5,000万円を超える案件については、対人地雷対策関連案件であるか、人間の安全保障の考え方がより強く反映された案件である必要がある)。

4.実施対象期間(供与資金の使用期限)

 贈与契約締結日より1年以内。

5.対象団体

(1) 本スキームは、開発途上国において草の根レベルの社会経済開発プロジェクトを実施している非営利団体(NGO、地方公共団体、教育・医療機関等)を被供与団体とする。
(2) 政府関係機関及び国際機関については、それぞれ、緊急事態に対する支援等、裨益効果が高く、かつ当該機関以外に当該事業の効果的・効率的実施が困難であると考えられる場合に例外的に被供与団体として認める。
(3) 個人及び営利団体は、被供与団体としては認められない。

6.対象分野

(1) 草の根レベルに対する裨益効果が高い案件、小規模な支援によって特に高い援助効果を発揮する案件、人道上機動的な支援が必要な案件等を中心に、基礎生活(Basic Human Needs)分野及び人間の安全保障の観点から特に重要な分野を優先的に支援することを基本方針とする。
(2) 基礎生活分野に該当する分野としては、保健・医療分野(例:病院の病棟建設、医療機材の供与)、基礎教育分野(例:小中学校の教室建設、机椅子等の供与)、民生・環境分野(例:井戸掘削、貯水タンクの供与)等に該当するプロジェクトが実績として多数を占めている。
(3) 人間の安全保障の考えが強く反映された分野とは、感染症、環境問題といった国境を超える問題や、地域紛争による難民や国内避難民などの問題を克服するため、人々を脅威から保護し、個人やコミュニティの能力育成を目的とするものであり、これら複数の支援活動を、1つの地域で総合的に行っていく付加価値型(Value Added Approach)プロジェクトが好例となりうる。
(4) 他方、以下の分野は支援対象としていない。
  • 高等学術機関における研究支援、被供与団体のキャパシティ・ビルディング等、草の根レベルに対する裨益効果が明確でないプロジェクトに対する支援。
  • 商業活動や雇用創出に特化した支援。
  • 文化・芸術・スポーツ等、経済社会開発と関連性が薄いプロジェクトに対する支援。
  • 政治目的・宗教布教目的が含まれたり、軍事的利用が認められる案件。

7.支援対象費用

(1) 本スキームでは、特定のプロジェクト実施のために直接必要となる経費が支援の対象である。
(2) 具体的な資金協力の対象品目としては、施設建設、資機材購入の他、会議・セミナー開催経費、機材供与に伴う専門家雇用等のソフト面における協力も実施している。
(3) また、支援対象分野であっても、以下の品目については支援を行わない。
  • 被供与団体自身の恒常的な運営管理費(事務所経費、人件費等)
  • 供与物資の維持管理費、予備費
  • 所得創出活動の運転開始資金
  • 特定個人に直接資金や財産を付与する奨学金・住居・衣服・文房具・食糧(災害時等の緊急人道支援の場合を除く)等
  • 土地購入
  • 草の根レベルに対する裨益効果が明確でない研究費用
  • 政府・自治体の収入源となる関税、付加価値税、運営許可料、車両登録料等
  • 上下水道案件、電化案件における各戸までの配水管・電線

8.審査・決定のプロセス(フロー図)(PDF)PDF

(1) 申請団体は、在外公館に対して申請書を提出する(ひな形)(PDF)PDF。申請書には、必要に応じて、プロジェクトの詳細な予算、プロジェクト実施地を示す地図、プロジェクトの実施可能性調査、供与資金で購入する物品・サービスの3社見積もり、申請団体の紹介資料(パンフレット等)や規則書、申請団体の年間予算書を添付する必要がある。
(2) 在外公館は、申請された案件につき、上位計画との整合性、案件の内容の妥当性、実現可能性(フィージビリティ)、案件の持続性(サステナビリティ)の観点から総合的に検討を行う。
(3) 原則として、300万円を超える案件、マイクロ・クレジット原資供与案件、ソフト経費の割合が支援総額の3割を超える案件については、資金の適正使用を確保するために、外部監査を実施する。

9.事前調査

 在外公館は、申請を受け優良案件と判断した場合、その全ての案件についてフィージビリティを一層向上させることを目的として事前調査を行う。

10.贈与契約の締結

 在外公館の審査に引き続き、外務省本省による審査が行われる。本省の承認が得られた案件については、在外公館と被供与団体との間で贈与契約(Grant Contract: G/C)が締結される。

11.資金の交付

(1) 贈与契約の締結後、被供与団体は在外公館に対し、調達契約や業者から取り付けた見積もりを提示する。
(2) 在外公館は、調達契約等の中身を確認し、右と支払い請求書に基づき、贈与契約に示された供与限度額の範囲内で、被供与団体に必要な資金を交付する。
(3) 被供与団体は、贈与契約に基づき供与された資金を適正に利用しなくてはならない。資金の活用については、被供与団体は在外公館の指導に従う義務を負い、在外公館は、適宜指導・相談を行う。

12.モニタリング

(1) モニタリングとは、贈与契約締結後、施設建設案件であれば施設が適切に建設されること、資機材調達案件であれば調達した資機材が適切に利用される等、贈与契約に記された計画期限までに、案件が当初の計画通り進捗し、完了することを在外公館が然るべく確認することをいう。被供与団体は期限までに報告書を提出し、また在外公館によるサイト視察等に積極的に協力する必要がある。
(2) 被供与団体は、計画変更の必要性が発生した場合や、事業完了時に資金残額がある場合には、贈与契約に基づき、直ちに在外公館に報告し、協議を行う必要がある。

13.フォローアップ

(1) 在外公館は、贈与契約に基づき実施されたプロジェクトの完了直後及び事業完了から2年後に、プロジェクトが当初の想定通りの効果を発現しているかを検証する。
(2) 被供与団体は、在外公館によるフォローアップに積極的に協力する必要がある。


過去の実績

パンフレットPDFPDFPDF西PDFPDF)(PDF)

《草の根・人間の安全保障無償資金協力実施に関する
 申請・問い合わせ先》

 申請先は在外公館になります

我が国の在外公館
(大使館、総領事館の連絡先)
外務省国際協力局無償資金・技術協力課
TEL:03−3580−3311(内・3956)
FAX:03-5501-8372

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