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グッド・ガバナンス

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Last Updated: 2011. 03. 31

グッド・ガバナンス分野をめぐる国際潮流

概況

  私たちは、民主主義を促進し、法の支配ならびに国際的に認められた人権および基本的自由の尊重を強化するため、いかなる努力も惜しまない。

-2000年ミレニアム宣言

 我々は、自由、民主主義、人権の尊重及び法の支配の原則に基づく平和な世界の未来図を共有しており、これを基礎として、相互にそして他の関係国と連携しながら、我々すべてに影響を及ぼす安全保障上の課題に引き続き取り組む用意がある。

―G8 ムスコカ・サミット(2010)首脳宣言:回復と新たな始まり


写真提供:JICA/カンボジアへの法制度整備支援で起草された民事訴訟法の草案を広めるためのワークショップ

 ガバナンスという言葉の指す範囲・内容は多岐にわたりますが、国際協力においては、一般的に統治機構や行政能力、制度等を指します。ガバナンスは開発途上国において持続的成長が実現されるための前提条件、もしくは開発援助の効果や効率に大きく影響を及ぼす要素、または開発援助等を通して実現されるべき価値・状態であるといった観点から、開発援助においても、開発途上国のガバナンスという観点が重視されるようになってきました。

 経済協力開発機構・開発援助委員会(OECD-DAC)*のアドホック・グループによる「参加型開発及びグッド・ガバナンス」に関する報告書(1993)は、ガバナンスの重要な要素として、(1)法の支配、(2)公共部門管理、(3)腐敗の抑止、(4)過剰な軍事費の削減を挙げています。

 1996年のDAC新開発戦略「21世紀に向けて:開発協力を通じた貢献」では、持続可能な開発を実現するために、民主的な説明責任(democratic accountability)、人権の保障や法の支配といった数値的に測れない要素を開発戦略に織り込むことの重要性を指摘しています。ガバナンス向上のために支援を行うことは、より説明責任と透明性の高い、参加型社会の実現に貢献します。

 また、2000年国連ミレニアムサミットにおいて採択された「国連ミレニアム宣言」では、法の支配並びに発展の権利を含む、国際的に認められた全ての人権及び基本的自由の尊重を強化するため、いかなる努力もおしまないと国際社会の意志が表明されました。その一環として、民主主義、及び少数者の権利を含む人権の尊重の原則と実践を実施する全ての国の能力を強化することを決意しています。

  2005年には、アナン国連事務総長(当時)が、国連活動の柱である開発・安全・人権の密接な関連性を踏まえて、国連のすべての活動で人権の視点を強化する考え(「人権の主流化」)を提唱し、国連が世界の人権問題により効果的に対処するための国連人権委員会の国連人権理事会への強化・改組や、「国連民主主義基金(UNDEF)」の設立など、人権・民主主義の促進に向けた国連の取組の強化が図られました。

*Development Assistance Committee(DAC):経済協力開発機構(OECD)の下部組織として1961年に設立。先進国のODA政策の取りまとめを行う。加盟国のうち、22カ国の先進国及び欧州委員会が参加。)

関連国際会議等

・IMF/世界銀行合同開発委員会(2006年)


カブール市緊急復興支援調査のサイトにおける住民集会で活発に意見を出し合う女性たち

 8月末に行われた合同開発委員会でガバナンスがとりあげられ、腐敗の防止を含め、ガバナンスの質は経済成長と貧困削減に重大な影響を及ぼすものであり、世銀は貧困削減のためグループ全体としてガバナンスの向上と腐敗の防止に取り組む必要があるとの報告が提出されました。

・OECD開発援助委員会のGOVNET

 The DAC Network on Governance (GOVNET) はOECD-DACの下部機構の中の一つであり、ガバナンスと、それを実現するために必要な能力開発に対する支援の効果向上を目的としています。加盟国が経験や教訓、グッド・プラクティス等を共有し、より貧困削減に資する政策や分析ツールを開発する政策フォーラムとして、能力強化や汚職対策等に関する議論が行われています。

・民主的統治のためのパートナーシップ(PDG)

 民主的統治のためのパートナーシップ(PDG:Partnership for Democratic Governance)は、ポスト紛争国及び脆弱国の統治能力構築と行政サービス提供の改善に取り組む国家及び国際機関から構成されているグループです。2008年4月にOECDに事務局が設置され、調査研究、行政サービス提供支援、問題解決のための協力促進を柱とした活動が行われています。

<G7/8>

G8ムスコカ・サミット(2010年)
・「G8説明責任報告書」(要旨抄訳(PDFPDF要旨英語原文(PDF)PDF英語原文(PDF)PDF
  G8の過去の開発コミットメントについての履行状況の報告が、G8説明責任報告書に統合され、第2章第7部でガバナ ンスについてはまとめられています。

G8ラクイラ・サミット(2009年)
・「G8首脳宣言・世界経済」(骨子仮訳(PDF)PDF英語全文(PDF)PDF
  国連腐敗防止条約、OECD外国公務員贈賄防止条約の実施等を通じた腐敗防止の取組の促進を公表しました。

G8北海道洞爺湖・サミット(2008年)
・「腐敗対策コミットメントに関するG8実施レビュー」アカウンタビリティ報告書(正文(英語(PDF)PDF概要(PDF)PDF
  エビアン・サミットからハイリゲンダム・サミットまでに間にG8間で合意した主要な腐敗対策コミットメントについて、G8各国の実施状況を公表しました。

G8ハイリゲンダム・サミット(2007年)
・「アフリカにおける成長と責任」(骨子全文仮訳(PDF)PDF
  アフリカ諸国による「アフリカにおける相互審査メカニズム(APRM)」への参加拡大等が発表されました。

G8サンクトペテルブルク・サミット(2006年)
・「上層部の腐敗への戦い」(骨子全文仮訳英文
  G8首脳は「腐敗と脆弱な統治との間には連関があること」、「行政、司法、及び立法の上層部にある個人による大規模な腐敗行為は、民主主義、法の支配、及び経済的・社会的発展に破壊的な影響を及ぼし得」、「腐敗した慣行が組織的犯罪及びテロリズムの拡大を助長し、政府に対する人々の信用を傷つけ、経済を不安定化させること」が認識されました。また、「公務員による腐敗行為は、外国投資を遠ざけ、経済成長及び持続的開発を抑制し、法及び司法制度を蝕み得る。腐敗行為の最終的影響は、貧困層に対し最も直接的かつ過度に及ぶ。」と表明されました。

G8グレンイーグルズ・サミット(2005年)
・「議長総括」(和文英文
  アフリカと開発に関して「G8の指導者は、強固な国家開発計画を有し、良い統治、民主主義及び透明性にコミットしている国々のための大きな追加的資金」により、アフリカに関する行動計画を支援することに合意されました。さらに、G8首脳は、「貧困国が、自らの開発戦略及び経済政策を決定し、また主導する必要があることで合意」しています。
・「アフリカ」(骨子全文仮訳英文(PDF)PDF
  成果文書において、「効果的な統治を促進、向上させるためのアフリカ諸機関の関与を歓迎」し、「信頼頼できる汚職対策をとり、また、透明性と説明責任の向上に取り組んでいるアフリカ諸国における能力構築への支援強化等を通じて、収入、予算・歳出、許認可、調達・権益譲渡を含む公的な財政管理における透明性の向上を支援する等のコミットメントが表明されました。

G8シーアイランド・サミット(2004年)
・「腐敗との戦いと透明性の向上」のフォローアップ報告(仮訳英文(PDF)PDF
  前年エビアンにおいて発表された『腐敗との戦いと透明性の向上』のフォローアップ報告において、G8と途上国政府との間の自発的なパートナーシップである「透明性向上に関する協約」がグルジア、ニカラグア、ナイジェリア、ペルーの4カ国と交わされました。

G8エビアン・サミット(2003年)
・「腐敗との戦いと透明性の向上G8宣言」(仮訳英文(PDF)PDF
  「各国の透明性、良い統治及び関連する行動に対する誓約に関する我々の判断を踏まえてどのように資金が使用されるかについて決定すること」が再確認され、「透明性、良い統治及び法の支配の履行を改善することへの誓約を表明している国々に、二国間支援の焦点を合わせる」ことが、 『腐敗との戦いと透明性の向上G8宣言』が発表されました。

G8カナナスキス・サミット(2002年)
・「議長サマリー」(仮訳英文
・「G8アフリカ行動計画」(骨子仮訳英文
  『議長サマリー』にて「HIPC債務救済により、恩恵を受ける国における良い統治の重要性」が強調された他、『G8アフリカ行動計画』で「信頼できる制度及び統治は、長期的または大規模な民間投資の前提条件であるという経験」に基づいて、「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」が「真の民主主義、人権の尊重、平和及び良い統治なくして開発はありえない」と述べていることに同意がされました。また、各国首脳は緊急かつ極めて重要な課題である制度及び統治能力の強化についてNEPADの優先課題やアフリカのピア・レビューの取り決め等の支援にコミットしています。

G8ジェノバ・サミット(2001年)
・「アフリカのためのジェノバ・プラン」(仮訳(PDF)PDF英文
  「責任とオーナーシップの原則に基づき、民主主義、透明性、良い統治、法の支配及び人権を開発の根本となる要素として協調する、新アフリカ・イニシアティブを歓迎する」と表明されました。

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