ネパール

令和7年5月18日

 5月16日から17日まで、生稲晃子外務大臣政務官は、ネパール政府が主催する気候変動問題について議論する国際会議「サガルマータ対話(SAGARMATHA SAMBAAD)」に出席し、ステートメントを行うとともに、ネパール政府要人等との会談を行うため、ネパールを訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

1 サガルマータ対話全体会合での登壇・ステートメントの実施

壇上でステートメントを行う生稲政務官の様子

 現地時間5月16日、ネパール・カトマンズを訪問中の生稲政務官は、ネパール政府が主催するサガルマータ対話に出席し、ステートメントを行いました。

 (参考1)生稲政務官ステートメント全文(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く

 (参考2)サガルマータ対話(SAGARMATHA SAMBAAD
 ネパール政府が初めて主催する気候変動に関する国際会議。国土の約8割が丘陵・山岳地帯であるというネパール特有の事情を踏まえた山岳地帯における気候変動の影響を始め、気候変動によって引き起こされる課題とその対策等について議論した。

 生稲外務大臣政務官のサガルマータ対話出席(令和7年5月16日)

2 オリ首相主催夕食会への出席

オリ首相主催夕食会の様子

 16日、生稲政務官はオリ首相主催夕食会に出席し、シン・ネパール副首相や主要参加国の代表と夕食を共にしつつ、地域情勢及び日ネパール間の人的交流等について懇談しました。

3 ネパール政府要人等との意見交換

(1)オリ首相への表敬

オリ首相と生稲政務官の記念撮影の様子

 17日、生稲政務官は、カドガ・プラサード・シャルマ・オリ・ネパール首相(Right Honorable Mr. Khadga Prasad Sharma Oli, Prime Minister, Nepal)を表敬し、今般カシミールで発生したテロ攻撃で、ネパール人の若者が犠牲となったことについて哀悼の意を表するとともに、テロを断固として非難する、ネパールともテロとの戦いにおいて協力していきたい旨述べました。これに対し、オリ首相は謝意を表明しました。
 オリ首相からは、今般の生稲政務官のネパール訪問を歓迎する旨述べるとともに、日本が「サガルマータ対話」に出席したことは同会議の成功のために有意義であるとして、謝意が述べられました。また、オリ首相から、日ネパール関係は良好であり、人々の関係も非常に友好的であると述べた上で、日本との人的交流が進展していることへの高い評価が述べられました。さらに、日本は信頼できるパートナーであり、道路建設や洪水被害からの復興のほか、保健、教育といった様々な分野でのこれまでの日本からの支援への謝意が述べられました。

 生稲外務大臣政務官によるオリ・ネパール首相表敬(令和7年5月17日)

(2)デウバ外務大臣

デウバ外務大臣と握手する生稲政務官の姿

 17日生稲政務官は、アルジュ・ラナ・デウバ・ネパール外務大臣(H.E. Dr. Arzu Rana Deuba, Minister of Foreign Affairs of Nepal)を表敬しました。生稲政務官は今般カシミールで発生したテロ攻撃で、ネパール人の若者が犠牲となったことについて哀悼の意を表するとともに、テロを断固として非難する旨述べました。これに対し、デウバ外相から謝意が表明されるとともに、ネパールとしてもあらゆるテロを強く非難する旨述べ、両者は、テロとの戦いに連携して取り組むことを確認しました。
 生稲政務官はまた、2026年(令和8年)は日・ネパール外交関係樹立70周年であり、これを機にネパールが日本にとってより身近な存在と感じられるような取組を考えていきたい旨述べました。デウバ外相から、70周年を日本においてネパールの存在感が高まるような良い機会としたい旨述べた上で、両者は、この機会にハイレベルの往来を実施し、両国関係を一層促進するために協力していくことで一致しました。

 生稲外務大臣政務官によるアルジュ・ラナ・デウバ・ネパール外務大臣表敬(令和7年5月17日)

4 署名式、視察等

(1)無償資金協力案件署名式

無償資金協力「ドゥリケル病院外傷・救急センター整備計画」の追加贈与に関する書簡の交換に立ち会う生稲政務官の様子

 16日、生稲政務官と、ビシュヌ・プラサド・ポーデル副首相兼財務大臣(Hon'ble Mr. Bishnu Prasad Paudel, Deputy Prime Minister and Finance Minister)の立ち会いの下に、前田徹駐ネパール日本国特命全権大使と、ガンシャム・ウパディヤ・ネパール財務省次官(Mr. Ghanshyam UPADHYAYA, Secretary, Ministry of Finance of Nepal)との間で、無償資金協力「ドゥリケル病院外傷・救急センター整備計画」の追加贈与(5.73億円)に関する書簡の交換が行われました。

 ネパールに対する無償資金協力「ドゥリケル病院外傷・救急センター整備計画(追加贈与)」に関する書簡の署名・交換(令和7年5月16日)

(2)ナグドゥンガ・トンネル建設現場視察

ナグドゥンガ・トンネルの建設現場を視察する生稲政務官の姿

 17日、生稲政務官は、ナグドゥンガ・トンネルの建設現場を視察しました。ナグドゥンガ・トンネルはネパールにとって初となる山岳交通道路トンネルで、日本は総事業費の4分の3を譲許性の高い借款で支援をしており、現場の担当者からは、現場では日本企業がネパールの技術者・労働者とともに、ネパールの発展のために尽力しているだけでなく、今後内装工事などを経て、トンネルが完成した暁には、交通の利便性が格段に向上すると共に、地域の経済振興にも大きく貢献する旨の説明がありました。

(3)トリブバン大学教育病院視察

トリブバン大学教育病院を視察する生稲政務官の様子

 17日、生稲政務官は、日本の無償資金協力により1984年に完成し、国内外の医療従事者育成のための中核施設・臨床教育実施機関として機能する、トリブバン大学教育病院の視察を行いました。病院の関係者から、国内最高水準の医療機関として、年間約50万人の外来・入院患者へ医療サービスを提供し続けており、日本からは技術協力も実施し、ネパールにおける医療サービスの高度化に寄与していること、また、日本の大学との交流も盛んに行われている旨の説明がありました。

(4)パタン・ダルバール広場復興支援視察

説明パネルを読む生稲政務官の様子
パタン・ダルバール広場を視察する生稲政務官の様子

 17日、生稲政務官は、日本が歴史的建造物の修復支援を行っているパタン・ダルバール広場を視察しました。日本は現地において、2015年のゴルカ地震によって被害を受けた数百年前の王宮や寺院の修復のために、専門家の派遣の他、修復のための倒壊防止資材や足場資材等を供与しています。

(5)在留邦人との意見交換

 17日、生稲政務官は、国連機関・NGOの邦人職員代表や日本企業関係者と懇談し、ネパールで現在直面している課題やビジネスの現状、今後の協力の可能性等について、意見交換を行いました。


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