ネパール

平成27年6月26日

 6月25日,カトマンズにおいてネパール復興に関する国際会議が開催されたところ,その概要は以下のとおり。同会議には,約60の国と機関が参加。主な参加者は,日本(城内外務副大臣,長嶺外務審議官,田中JICA理事長),ネパール(コイララ首相,パンディ外相,マハト財相),インド(スワラージ外相),中国(王毅外相),ノルウェー(ブレンデ外相),EU(ミミツァ欧州委員会国際協力・開発担当委員),ADB(中尾総裁),世界銀行(ディクソン副総裁)等。

1.オープニング・セッション(議長:コイララ首相)

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  • (1)冒頭,震災による犠牲者に対する黙祷が行われ,震災のビデオが上映された。パンディ外相が国際会議に集まった各国・機関を歓迎する旨挨拶し,コイララ首相による復興を願うランプの点灯が行われた。続いて,コイララ首相より,開会の辞が述べられ,マハト財相より,支援国会合の趣旨について説明が行われた。
  • (2)その後,閣僚級が出席している国・国際機関(インド,中国,日本,ノルウェー,バングラデシュ,ブータン,スリランカ,米国(ケリー国務長官のメッセージを代読),ADB,EU)の演説が行われたほか,パン・ギムン国連事務総長及びジム・ヨン・キム世銀総裁のビデオ・メッセージが放映された。日本を代表して出席した城内実外務副大臣は,ネパールが震災からの復興と新憲法制定という2つの国づくりに同時に取り組んでいることを日本として後押しし,東日本大震災の経験や仙台の第3回国連防災世界会議の成果である「より良い復興(Build Back Better)」の概念を活用し,ネパールをより強靱な国にするための支援を積極的に行っていく旨述べるとともに,先日発表されたネパールの災害後ニーズ評価(PDNA)を踏まえ,当面必要な支援として,学校,住宅,公共インフラの再建を中心に,総額320億円超(約2.6億ドル)規模の支援を実施する旨表明した。

    • ネパール復興に関する国際会議 城内副大臣ステートメント「ネパールのより良い復興に向けて」(日本語英語
  • (3)また,日本からは,中長期的なより良い復興のために,第2回復興国際会議の開催を提案した。

2.ビジネス・セッション(議長:マハト財相)

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  • (1)ネパール国家計画委員会より,災害後ニーズ評価(PDNA)に関し,被害総額は,損害額が約52億ドル,損失額が約19億ドル,合計約71億ドルであるのに対し,今後必要となる復旧・復興のための資金需要が約67億ドル(注:今後6年間)である旨の説明が行われた。また,ネパール財務省より,復旧・復興事業実施のメカニズム,説明責任及びガバナンスに関する説明が行われた。
  • (2)その後,39の国・機関より支援額の表明等,ステートメントが行われ,日本からは,長嶺外務審議官が改めて日本の支援額を表明するとともにその内訳を説明した。
  • (3)ネパール政府によれば,ドナー全体で約44億ドルの支援が表明され,ネパールの復旧・復興のため国際社会が積極的な支援を示すとの初期の目的は十分に達成された。

3.テクニカル・セッション第1部(共同議長:長嶺外務審議官,シャルマ元ネパール国家計画委員会副議長)

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  • (1)ネパール国家計画委員会理事及びワグレ同理事より,復興戦略及び長期的開発アジェンダについての概要説明が行われた。
  • (2)田中JICA理事長及び竹谷JICA国際協力専門員より,仙台で開催された第3回国連防災世界会議の成果である「より良い復興」を基調とした緊急フェーズから中・長期的な復旧・復興に至るまでの切れ目のない支援の重要性,特にニーズの高い住宅再建への協力に関して説明が行われた。
  • (3)フォルニ世銀災害リスク管理専門家より,地方での住宅再建について説明が行われた。
  • (4)上記説明内容に関する質疑応答の後,共同議長による総括が行われた。

4.テクニカル・セッション第2部(共同議長:スベディ・ネパール開発省次官,ミシュラ・インド首相府次官補)

  • (1)ネパール内務省より,震災後に実施された救出・救助・救援活動に関する説明が行われた。
  • (2)テルプッガ・インド・マハトマ・ガンジー労働研究所所長より,インド・グジャラートにおける震災の経験を交えながら,防災とキャパシティ・ビルディングについての説明が行われた。
  • (3)横山ADBネパール事務所長より,公共サービスに関する説明が行われた。
  • (4)上記説明に関する質疑応答の後,共同議長による総括が行われた。


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