東ティモール民主共和国
日・東ティモール首脳会談

(写真提供:内閣広報室)

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1 日・東ティモール首脳会談

(写真提供:内閣広報室)

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(1)冒頭
安倍総理大臣から,東ティモールが紛争状況を脱し,21世紀初の独立国家として本格的な開発の段階への歩みを進めていることは大変喜ばしい,我が国は,東ティモールの国づくりを一貫して支援してきており,今回のルアク大統領の訪日を契機として,東ティモールとの関係を一層発展させていきたい旨述べました。
ルアク大統領から,日本は東ティモールの独立前から支援を行っており,東ティモールの平和構築及び社会の安定に多大なる貢献を頂いていることを感謝する旨述べました。
両首脳は,東ティモールの目覚ましい復興と発展に鑑み,これまでの「紛争後の復興期における協力関係」を,これからは民間セクターも大きな役割を果たす「成長・発展の時代の協力関係」に進化させ,両国関係を更に強化することで一致しました。
(2)経済協力・人材育成
安倍総理大臣から,50億円規模のODAを本年に実施し,東ティモールの自立的かつ持続的発展を後押しすることを表明しました。また,安倍総理大臣から,「質の高いインフラパートナーシップ」の下,港湾整備を始め,社会・経済インフラ整備への協力を推進するとともに,東ティモール国立大学工学部の新校舎建設等の教育環境の整備,「産業人材育成協力イニシアティブ」の下での人材育成,及び「女性の輝く社会」の実現に向けた女性の社会・経済参画拡大に向けた取組に協力したい旨述べました。
これに対し,ルアク大統領から,それらの日本の支援に謝意を表するとともに,インフラ整備,教育,資源開発,農業,観光等が東ティモールの発展のための主要な分野であり,様々な分野において日本と協力していきたい旨述べました。
安倍総理大臣から,日本貿易振興機構(JETRO)による専門家派遣を通じて日本企業の進出を後押しし,東ティモールの地場産業育成,投資促進を支援する旨表明したのに対し,ルアク大統領から,東ティモール国内には経済特区も設置している旨紹介があり,日本企業の東ティモール進出への期待感が表明しました。
(3)防衛協力・安全保障
安倍総理大臣から,日本は,東ティモールでのPKOや能力構築支援に自衛隊や警察官が参加し,国造りに貢献してきたことは誇りであり,昨年成立した平和安全法制(PDF)を含む「積極的平和主義」の下,地域と国際社会の平和と安定に資する活動に一層積極的に貢献したい旨述べました。これに対し,ルアク大統領から,東ティモールは,日本が国連を通じて行った平和と安定のための支援を享受した国であり,日本が地域の平和と安定により一層貢献する「積極的平和主義」を支持する旨表明しました。
安倍総理大臣から,引き続き東ティモールの優秀な留学生を日本の防衛大学校に派遣いただくことを期待する旨述べ,ルアク大統領は,日本の防衛協力に対して感謝する旨述べました。
(4)人的交流
両首脳は,両国関係の未来に向けた投資として,今後5年間で,1,000人程度の人的交流を目指す「次世代交流計画」を立ち上げることで一致しました。
(5)地域・国際社会の課題
安倍総理大臣から,東ティモールのASEAN加盟を引き続き支持し,人材育成等を通じ,今後も後押しする旨述べたのに対し,ルアク大統領から,ASEAN加盟に対する日本の支持と支援に感謝する旨述べました。
安倍総理大臣から,南シナ海での中国の大規模かつ急速な埋立てや拠点構築,その軍事目的での利用等を深刻に懸念している旨述べ,両首脳は,法の支配の下,開かれ安定した海洋の実現に向けて連携していくことで一致しました。
また,両首脳は,引き続き地域及び国際場裏において両国で緊密に協力していくことで一致しました。
(6)結語
双方は,未来志向の両国関係が一層強化されるよう,共に取り組んでいくことで一致しました。
2 署名式・文書交換式,共同記者発表及び夕食会
(1)署名式・文書交換式

(写真提供:内閣広報室)

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首脳会談後,「東ティモール国立大学工学部新校舎建設計画」及び「経済社会開発計画」の署名式・文書交換式が行われました。
(2)共同記者発表及び夕食会

(写真提供:内閣広報室)
署名式・文書交換式後,両首脳は,共同記者発表を行いました。その後,安倍総理大臣夫妻主催の夕食会が非常に和やかな雰囲気で行われ,文化・人的交流を含む両国関係の幅広い話題に会話が及びました。