フィリピン共和国

日・フィリピン首脳会談

平成27年6月4日

英語版 (English)

 4日18時から約45分,安倍晋三総理大臣は,国賓として来日したベニグノ・アキノ3世・フィリピン共和国大統領(H.E. Mr. Benigno S. Aquino III, President of the Republic of the Philippines)と,迎賓館において会談を行ったところ,概要は以下のとおり。また,会談の成果として,「地域及びそれを超えた平和,安全及び成長についての共通の理念と目標の促進のために強化された戦略的パートナーシップに関する日本-フィリピン共同宣言」骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く),「戦略的パートナーシップ強化のための行動計画」仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く),「マニラ首都圏の運輸交通セクターにおける質の高いインフラ整備のための協力ロードマップ」仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)が発出された。

1 冒頭

 安倍総理から,友人であるアキノ大統領を国賓としてお迎えし,6回目の会談ができることは大変喜ばしい旨述べた。また,昨日,参議院にて行われたアキノ大統領の国会演説で示された平和国家としての歩み,積極的平和主義や平和安全法制,成長戦略を始めとする諸改革に対する支持に感謝の意を表明した。また,安倍総理は,今後も,理念と目標を共有する「戦略的パートナー」として,フィリピンとの協力をあらゆる分野で強化し,地域や国際社会の安定と繁栄に貢献していく旨述べた。 これに対し,アキノ大統領は,訪問に際しての歓迎への謝意とともに,昨日の国会演説は,自分の心からの言葉である旨述べた。

2 二国間関係

(1)政治・安全保障関係

 安倍総理から,「積極的平和主義」の取組を引き続き推進していくとして,国会に提出している「平和安全法制」の意義を説明するとともに,アジアの安全保障環境が厳しさを増す中,フィリピンとの安保協力を強化していきたい旨述べた。そして,災害救援や海洋安全保障分野での防衛協力を推進するため,防衛装備移転に関する協定の締結交渉を開始することで一致した。また,安倍総理から,フィリピン沿岸警備隊の支援に関し,巡視艇の建造調印(注)を歓迎しつつ,海洋領域認識能力の更なる強化に向けて協議を強化したい旨述べ,引き続き協力を行っていくことで一致した。

(注)フィリピン沿岸警備隊が調達する巡視艇10隻の建造に関する,フィリピン政府と日本企業間の契約。4日に東京にて契約調印。

(2)ミンダナオ和平

 安倍総理は,ミンダナオの永続的な和平について,フィリピンの取組への支持を表明するとともに,日本は,新自治政府設立を念頭にJ-BIRDII(注)の支援を進める旨述べた。これに対しアキノ大統領は,日本のミンダナオ和平に対する支援に対し謝意を述べるとともに,J-BIRDIIはフィリピン政府の政策と規を一にするものであるとして,歓迎の意が表明された。

(注)バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点をあててJ-BIRD(バンサモロ復興開発イニシアティブ)を新たなフェーズで進めるもの。

(3)経済,文化・人的交流

 安倍総理から,貿易・投資を一層促進していくため,今般合意した「マニラ首都圏の運輸交通インフラ整備協力ロードマップ」を着実に実施していく旨述べるとともに,日本企業の一層の進出に向け,フィリピンにおけるビジネス環境の整備への一層の取組を要請した。特に3,000億円規模の「南北通勤鉄道事業」については,事業全体に日本の資金と技術を積極的に活用して協力する旨述べた。また,マニラの耐震橋梁とダバオのバイパスの整備に340億円の支援を決定した旨述べた。また,これらは先日発表された「質の高いインフラパートナーシップ」の一環であり,今後もアジアのインフラ投資を推進していく旨述べた。
 これに対し,アキノ大統領は日本の高い技術によるインフラ支援は,フィリピンのインフラ強化に大きく貢献しているとしつつ,各事業への日本からの支援につき感謝の意を表明した。また,両首脳は,来年の国交60周年に向け,観光,JENESYS2015,文化のWA,JETプログラム等で両国の交流を一層促進していくことで一致した。

3 地域・国際社会の課題

(1)南シナ海

 アキノ大統領から埋立て活動に言及しつつ,G7での声明発出等につき感謝の意を表明するとともに,フィリピンとして法の支配の下,平和的解決を求めていること,また,外交努力による解決が必要であり,フィリピンは仲裁手続きを活用しており,法的拘束力のある行動規範の策定を望んでいる旨述べた。これに対し,安倍総理から,南シナ海における大規模な埋立てや拠点構築等の一方的な現状変更につき,深刻な懸念をフィリピンと共有し,各国と連携して「法の支配」の実現に向けて共に努力していくとともに,フィリピンの仲裁手続きの活用を支持する旨述べた。

(2)北朝鮮

 安倍総理より,核ミサイル問題については,引き続き緊張感が高い状態にあること,また,重要な問題として拉致問題があることを説明し,引き続きフィリピンと協力したい旨述べた。これに対し,アキノ大統領より,日本の立場を支持するとしつつ,拉致問題について支援するとの姿勢が示された。

(3)その他

 安倍総理は,本年,フィリピンで開催されるAPECの成功に向け,全面的な協力を表明するとともに,国連創設60周年の本年,安保理改革で具体的な成果を得たい旨述べた。これに対し,アキノ大統領はAPECについて日本の協力に謝意を表明するとともに,国連安保理改革に対する日本の立場を支持する旨表明した。


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