フィリピン共和国
日・フィリピン首脳会談
平成28年10月26日
儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
握手を交わす両首脳
(写真提供:内閣広報室)
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1 日・フィリピン首脳会談
日・フィリピン首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
(1)冒頭,安倍総理大臣から,大統領としての初訪日を心から歓迎,先月,ラオス・ビエンチャンでお会いして以来,再会することができ嬉しい,本年は日・フィリピン両国の国交正常化60周年であり,その記念の年の1月に天皇皇后両陛下がフィリピンを御訪問され,今般,ドゥテルテ大統領を日本にお迎えすることができた,ドゥテルテ大統領の今回の訪日を通じて,日本とフィリピンの関係を,飛躍的に発展させたい旨述べました。
これに対して,ドゥテルテ大統領から,ご招待に感謝する,日フィリピン両国は植民地時代前から交流のあった関係である,現在,フィリピンは日本の親密なパートナーである旨述べました。
(2)また,安倍総理大臣から,日本はフィリピンを極めて重視しており,これまでJICA等を通じて長年にわたりフィリピンの発展を後押ししてきた,今後も,特に,ドゥテルテ大統領が重視する海洋安全保障,テロ対策,ミンダナオ和平,長期開発計画に基づく国造り等で,最大限の支援を行っていく旨述べました。
安倍総理大臣から,海洋安全保障では,フィリピンの能力向上を力強く支援したい,大型巡視船2隻の交換公文の署名を歓迎する,海洋安全保障対話を立ち上げ,具体的な協力について議論したい旨述べるとともに,海上自衛隊航空機TC-90の移転に向けた取極の署名を歓迎し,安保・防衛協力を積極的に推進していきたい旨述べました。
さらに,安倍総理大臣から,テロ対策では,フィリピン沿岸警備隊に対し,高速小型艇等を供与したい旨述べました。
安倍総理大臣から,ミンダナオ和平定着に向け,引き続き人材育成等,他地域との格差是正に貢献していく,「アグリビジネス促進事業」の交換公文の署名を歓迎する,バンサモロ地域の電力分野の支援を早期に決定したい旨述べました。
安倍総理大臣から,長期開発計画に基づく国造りを協力したい,マニラ首都圏だけでなく,ダバオほか地方都市における,電力,運輸交通等のマスタープラン策定,また,マニラ地下鉄の調査を来年9月までに終了し,事業化につなげたい旨述べるとともに,「産業協力イニシアティブ」の発出及びICT分野の覚書の署名を歓迎する,「クラーク・グリーン・シティ構想」の実現のため,マロロス・クラーク間の鉄道の調査を行いたい旨述べました。
これに対し,ドゥテルテ大統領は,JICAの支援について,心より感謝申し上げたい,ダバオ市長を22年務めたが,空港を始めJICAは様々なプロジェクトを完了させてくれた旨述べ,日本の支援に対する謝意を表明しました。
(3)また,安倍総理大臣から,日本は一貫して,対等な戦略的パートナーとして,ASEAN共同体の強化を支援してきており,ASEANの中心性と一体性を強く支持している,来年はフィリピンがASEAN議長国を務める予定であり,日本はフィリピンの成功を心から願っており,フィリピンを最大限支援していく旨述べました。
(4)また,北朝鮮問題について,安倍総理大臣から,北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威は新たな段階である,北朝鮮の行動を変えるには,新たな安保理決議の採択や関連決議の厳格な履行等を通じ,いかなる挑発行動も容認しないという力強いメッセージを発出すべき,拉致問題に関するドゥテルテ大統領の力強い支持に感謝する,北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた具体的な行動を強く求めたい。フィリピンの理解と協力を期待する旨述べました。
これに対し,ドゥテルテ大統領は,北朝鮮による核実験の継続は非難することを確約する,国際社会が結束して働きかけ,北朝鮮を六者会合に戻さなければならない旨述べました。
(5)また,両首脳は,南シナ海情勢についても意見交換しました。ドゥテルテ大統領は,南シナ海問題については,仲裁判断が出されたので,それに基づいて話をすることしかできない,国連海洋法条約を含む法の支配の原則に従っていずれかの時点で話をする,日本とフィリピンは同じような状況にある,フィリピンはいつも日本と同じ立場に立っているので安心してほしい,海洋問題においては,航行の自由の確保が必要である旨述べました。
安倍総理大臣から,先ほど,日本の立場に常に寄り添うことを明言いただいたことを感謝する,日本国民はドゥテルテ大統領の友情を感じることができた旨述べました。
安倍総理大臣は,南シナ海の問題は,地域の平和と安定に直結する,国際社会全体の関心事項である,仲裁判断に関し,海洋における紛争は武力による威嚇又は武力の行使に訴えず,国連海洋法条約等に従って,平和的に解決することが重要である旨述べました。さらに,安倍総理大臣は,日本は,ドゥテルテ大統領が,比中関係の改善と発展に尽力され,地域の平和と安定に貢献していることを歓迎する旨述べました。
これに対して,ドゥテルテ大統領から,ご招待に感謝する,日フィリピン両国は植民地時代前から交流のあった関係である,現在,フィリピンは日本の親密なパートナーである旨述べました。
(2)また,安倍総理大臣から,日本はフィリピンを極めて重視しており,これまでJICA等を通じて長年にわたりフィリピンの発展を後押ししてきた,今後も,特に,ドゥテルテ大統領が重視する海洋安全保障,テロ対策,ミンダナオ和平,長期開発計画に基づく国造り等で,最大限の支援を行っていく旨述べました。
安倍総理大臣から,海洋安全保障では,フィリピンの能力向上を力強く支援したい,大型巡視船2隻の交換公文の署名を歓迎する,海洋安全保障対話を立ち上げ,具体的な協力について議論したい旨述べるとともに,海上自衛隊航空機TC-90の移転に向けた取極の署名を歓迎し,安保・防衛協力を積極的に推進していきたい旨述べました。
さらに,安倍総理大臣から,テロ対策では,フィリピン沿岸警備隊に対し,高速小型艇等を供与したい旨述べました。
安倍総理大臣から,ミンダナオ和平定着に向け,引き続き人材育成等,他地域との格差是正に貢献していく,「アグリビジネス促進事業」の交換公文の署名を歓迎する,バンサモロ地域の電力分野の支援を早期に決定したい旨述べました。
安倍総理大臣から,長期開発計画に基づく国造りを協力したい,マニラ首都圏だけでなく,ダバオほか地方都市における,電力,運輸交通等のマスタープラン策定,また,マニラ地下鉄の調査を来年9月までに終了し,事業化につなげたい旨述べるとともに,「産業協力イニシアティブ」の発出及びICT分野の覚書の署名を歓迎する,「クラーク・グリーン・シティ構想」の実現のため,マロロス・クラーク間の鉄道の調査を行いたい旨述べました。
これに対し,ドゥテルテ大統領は,JICAの支援について,心より感謝申し上げたい,ダバオ市長を22年務めたが,空港を始めJICAは様々なプロジェクトを完了させてくれた旨述べ,日本の支援に対する謝意を表明しました。
(3)また,安倍総理大臣から,日本は一貫して,対等な戦略的パートナーとして,ASEAN共同体の強化を支援してきており,ASEANの中心性と一体性を強く支持している,来年はフィリピンがASEAN議長国を務める予定であり,日本はフィリピンの成功を心から願っており,フィリピンを最大限支援していく旨述べました。
(4)また,北朝鮮問題について,安倍総理大臣から,北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威は新たな段階である,北朝鮮の行動を変えるには,新たな安保理決議の採択や関連決議の厳格な履行等を通じ,いかなる挑発行動も容認しないという力強いメッセージを発出すべき,拉致問題に関するドゥテルテ大統領の力強い支持に感謝する,北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた具体的な行動を強く求めたい。フィリピンの理解と協力を期待する旨述べました。
これに対し,ドゥテルテ大統領は,北朝鮮による核実験の継続は非難することを確約する,国際社会が結束して働きかけ,北朝鮮を六者会合に戻さなければならない旨述べました。
(5)また,両首脳は,南シナ海情勢についても意見交換しました。ドゥテルテ大統領は,南シナ海問題については,仲裁判断が出されたので,それに基づいて話をすることしかできない,国連海洋法条約を含む法の支配の原則に従っていずれかの時点で話をする,日本とフィリピンは同じような状況にある,フィリピンはいつも日本と同じ立場に立っているので安心してほしい,海洋問題においては,航行の自由の確保が必要である旨述べました。
安倍総理大臣から,先ほど,日本の立場に常に寄り添うことを明言いただいたことを感謝する,日本国民はドゥテルテ大統領の友情を感じることができた旨述べました。
安倍総理大臣は,南シナ海の問題は,地域の平和と安定に直結する,国際社会全体の関心事項である,仲裁判断に関し,海洋における紛争は武力による威嚇又は武力の行使に訴えず,国連海洋法条約等に従って,平和的に解決することが重要である旨述べました。さらに,安倍総理大臣は,日本は,ドゥテルテ大統領が,比中関係の改善と発展に尽力され,地域の平和と安定に貢献していることを歓迎する旨述べました。
2 署名・文書交換式・共同記者発表・安倍総理大臣主催晩餐会
署名式に立ち会う両首脳(写真提供:内閣広報室)
(フィリピン沿岸警備隊海上安全対策能力強化計画に係る借款契約)
(フィリピン沿岸警備隊海上安全対策能力強化計画に係る借款契約)
署名式に立ち会う両首脳(写真提供:内閣広報室)
(海上自衛隊航空機TC-90に関する細目取極)
(海上自衛隊航空機TC-90に関する細目取極)
(1)署名・文書交換式
両首脳立ち会いの下,以下の関連文書の署名(ア~オ)及び交換(カ)が行われました。
ア 総務省とフィリピン大統領府広報部(PCOO)との間の協力覚書
イ アグリビジネス振興・平和構築・経済成長促進計画に係る交換公文
ウ フィリピン沿岸警備隊海上安全対策能力強化計画に係る交換公文
エ フィリピン沿岸警備隊海上安全対策能力強化計画に係る借款契約
オ 海上自衛隊航空機TC-90に関する細目取極
カ 海上自衛隊航空機TC-90に関する当局間取決
イ アグリビジネス振興・平和構築・経済成長促進計画に係る交換公文
ウ フィリピン沿岸警備隊海上安全対策能力強化計画に係る交換公文
エ フィリピン沿岸警備隊海上安全対策能力強化計画に係る借款契約
オ 海上自衛隊航空機TC-90に関する細目取極
カ 海上自衛隊航空機TC-90に関する当局間取決
共同記者発表
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
(2)共同記者発表及び安倍総理大臣夫妻主催晩餐会
文書交換式後,両首脳は,共同記者発表を行いました。
総理主催晩餐会で挨拶する安倍総理
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
その後,安倍総理大臣主催の晩餐会が,ミンダナオを中心に,フィリピンにゆかりのある関係者を招待し約70名で開催され,大変和やかな雰囲気の中,両国の国交正常化60周年を祝い,文化・人的交流を含む両国関係の幅広い話題に会話が及びました。