岸田外務大臣

平成26年4月11日
 本11日(金曜日)午後6時頃から約30分間、岸田文雄外務大臣は、軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)広島外相会合出席のため訪日中のアルバート・デル・ロサリオ・フィリピン外務大臣(H.E. Mr. Albert F. del Rosario, Secretary of Foreign Affairs, Republic of the Philippines)との間で会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1.二国間関係

(1)岸田大臣から、広島訪問への歓迎の意を表したのに続いて、昨年11月の台風被害に対して我が国が復旧・復興段階でも支援を継続していく旨、また、先般署名された「バンサモロ包括合意」への祝意を伝えました。これに対し、デル・ロサリオ大臣より、台風被害に対する日本の支援は極めて寛大である、またミンダナオ和平については日本の支援がなければ決して達成し得なかったとして、深甚なる謝意が表明されました。

(2)岸田大臣から、戦略的パートナーシップの重要な柱である海洋分野の協力について、フィリピン沿岸警備隊の能力強化に貢献する、巡視艇10隻の供与や通信システム強化とともに人材育成にも力を入れていく旨述べたのに対し、デル・ロサリオ大臣から、これらの支援に対する謝意が示されました。また、岸田大臣から、安全保障協力の全般について、来週実施予定の第7回外務・防衛当局間協議(注)等を通じ、一層緊密に協議していきたいと述べたのに対し、デル・ロサリオ大臣から、両国間の戦略的パートナーシップをフィリピンとしても重視している旨述べられ、両大臣は、この両国間の戦略的パートナーシップを一層強化していくことで一致しました。

2.地域情勢、グローバルな課題

(1)岸田大臣から、南シナ海をめぐる問題に関し、フィリピンが国連海洋法条約の仲裁手続を活用して、国際法に基づく平和的な解決を目指していることについて、我が国として「法の支配」の観点からこれを支持するとの談話を発出したことを紹介しました。デル・ロサリオ大臣からは、先に仲裁裁判所への文書提出を行ったことなどにつき説明があるとともに、日本の支持は明確なものであり感謝しているとの発言がありました。

(2)両大臣は、今次NPDI会合を通じて、核なき世界を目指すとの共通の目標に向けて協力を深めていくことでも一致しました。
 
(注)4月16日にマニラで実施予定。日本から外務省(金杉憲治南部アジア部審議官)及び防衛省の関係者、フィリピンから外務省及び国防省の関係者が出席し、両国の安全保障政策、地域情勢、防衛分野での協力等につき意見交換が行われる予定。

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