報道発表
国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会
宇宙活動の長期持続可能性ガイドラインの採択
1 6月21日,国連ウィーン本部で開催中の国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会において,宇宙活動に関する長期持続可能性(LTS)ガイドラインが加盟国92か国の全会一致により採択されました。
2 今般採択された21のLTSガイドライン(PDF)は,宇宙ごみ低減や宇宙物体の安全を含む宇宙活動の長期持続可能な利用を目的とした,加盟国が自主的に実施すべきグッドプラクティスとして一致したものです。
3 21のLTSガイドラインについて昨年ワーキンググループで一致しましたが,他のガイドラインを含めた全体ついて一致できず採択に至らなかったものです。今般,21のLTSガイドラインの採択に加え,新たなワーキンググループが科学技術小委員会の下に設置され,新たなガイドラインの可能性等についても議論されることとなりました。
4 我が国は,宇宙の安定利用に資する法の支配の強化のため,今年のCOPUOS本委員会においても,米国,フランス及びカナダと共に共同の提案を行い,議論を主導してきたところ,この共同提案を踏まえ,加盟国間で議論を行った結果,本件21のLTSガイドラインが採択されたことを歓迎します。
[参考1]国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)
COPUOSは,1959年の国連総会決議(1472)「宇宙空間の平和利用に関する国際協力」により設立された国連総会直属の常設委員会。オーストリア・ウィーンにおいて開催され,本委員会(毎年6月頃に開催)のもとに,科学技術小委員会(毎年2月頃に開催)及び法律小委員会(毎年4月頃に開催)がおかれ,宇宙活動に関する諸問題に対し,それぞれ技術的側面及び法的側面からの検討等を行っている。2019年2月時点,日本を含む92カ国が加盟。
[参考2]「宇宙活動の長期持続可能性」(LTS)に関するこれまでの経緯
COPUOSでは,2010年から「宇宙活動の長期持続可能性」(LTS)という議題の下,宇宙活動を長期的に持続可能な利用のために自主的に遵守すべき「ガイドライン」の制定を目指し,ワーキンググループが設置された。
ワーキンググループは,21のガイドラインについて一致したが,7のガイドラインについては一致せず,2018年6月に,ワーキンググループが終了した。
ワーキンググループ終了後,我が国が主導する形で有志国と連携して21のLTSガイドライン実施をCOPUOS加盟国に働きかけてきた。
本年のCOPUOS本委員会初日の6月12日には,日米カナダ・フランスの4か国が21のLTSガイドライン実施に関するワーキンググループを科学技術小委員会の下に設置するとの共同提案を行った。
本委員会会期中に加盟国間の議論を経て,6月21日,COPUOS本委員会として21のLTSガイドラインを正式に採択すると共に,科学技術小委員会の下にこれらガイドラインの実施及び新たなガイドラインの可能性等を議論するワーキンググループが設置されることが決定された。