報道発表

G7大阪・堺貿易大臣会合
「開会セッション」及び「サプライチェーン強靱化アウトリーチセッション」の概要

令和5年10月28日
正面を向き、記念撮影に応じる、G7大阪・堺貿易大臣会合の出席者の様子

 10月28日、午後1時45分から約25分間、上川陽子外務大臣は、大阪において、G7大阪・堺貿易大臣会合の「開会セッション」へ参加し、その後、同日午後2時20分から約100分間、同会合の「サプライチェーン強靱化アウトリーチセッション」にそれぞれ出席したところ、概要は以下のとおりです。
アウトリーチセッションには、豪州、インド、インドネシア、チリ、ケニアのの招待5か国、世界貿易機関(WTO)、経済協力開発機構(OECD)、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)の3つの国際機関、及び、G7の産業界の代表者等が参加しました。

テーブルにつき、開会セッションで発言する、上川大臣の様子
G7大阪・堺貿易大臣会合「開会セッション」の会場内全体の様子

1 「開会セッション」

  1. 冒頭、上川大臣から、国際社会が歴史の転換点に直面する中、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値を共有するG7諸国が、世界経済の持続的な成長を実現するために主導的な責任を果たす重要性を強調しました。
  2. また、上川大臣は、世界の安定と成長の基盤である世界貿易機関(WTO)を中核とする多角的貿易体制を維持・強化するため、G7が率先してWTO改革を推進していくべき旨を述べました。また、経済的威圧といった戦略的課題に対抗するためG7が連携していくことや、世界経済の持続可能な発展のため、G7を越えた国際的なパートナーと連携していくことが重要である旨述べました。
  3. G7メンバーの閣僚等からは、G7議長国としての日本の役割への謝意とともに、エネルギー、食料等のサプライチェーンの構築、気候変動等のグローバルな課題が山積する中で、率直な議論を行う機会として、本会合への期待と意気込み等が表明されました。
テーブルにつき、サプライチェーン強靱化アウトリーチセッションで発言する、上川大臣の様子
G7大阪・堺貿易大臣会合「サプライチェーン強靱化アウトリーチセッション」の会場内全体の様子

2 サプライチェーン強靱化アウトリーチセッション

  1. 冒頭、上川大臣から、招待5か国、3国際機関及び産業界の代表者等の参加を歓迎しつつ、(ア)サプライチェーン強靱化のためには、G7を越えた国際的なパートナーや民間企業との連携が不可欠であること、(イ)首脳間で確認した「信頼性」の原則を共有する信頼できるパートナーとの連携が重要であること、(ウ)資源国による環境・社会・ガバナンス(ESG)基準の遵守を支援し、資源国への幅広い投資を促進する必要があることなどを指摘し、(エ)我が国自身も政府開発援助(ODA)等を活用してサプライチェーンの強靱化・多様化に積極的に協力し、途上国の自立性強化に貢献していく旨述べました。
  2. G7の産業界の代表者からは、食料安全保障・農業分野における強靱なサプライチェーンの構築に向けた取組や課題、エネルギー移行のための原材料としての重要鉱物等の供給多様化の必要性、原材料供給者としてのグローバルサウスとの連携の重要性、上流開発やバリューチェーン構築を通じたグローバルサウスの包摂的な成長への貢献などについて、知見やグッド・プラクティスが共有されました。 また、国際機関の代表者からは、各々の専門性に基づき、多角的貿易体制の 維持・強化や包摂的な社会の構築に向けたサプライチェーン強靱化の重要性が強調されたほか、地域レベルでの取組の強化の必要性についても議論が交わされました。
  3. 招待国を含め、セッション参加者の間で率直な議論が行われた結果、強靱なサプライチェーンを構築していく取組を通じて包摂的かつ持続可能な成長を実現すること、G7広島サミットで確認された「強靱で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則」の内容を実践に移していくこと、信頼できる官民のパートナーの一層の連携・協力を進めることなどの重要性について一致しました。

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