報道発表

日・EUハイレベル経済対話の開催

令和5年10月28日
正面を向き、互いに握手を交わす、三者の様子
テーブルにつき、対話を行う、三者の様子

 10月28日、午前10時05分から約1時間20分、上川陽子外務大臣は、大阪において、西村康稔経済産業大臣と共に、G7大阪・堺貿易大臣会合出席のため訪日中のヴァルディス・ドムブロウスキス欧州委員会上級副委員長兼貿易担当欧州委員(Mr. Valdis Dombrovskis, Executive Vice President of the European Commission for an Economy that Works for People, European Commissioner for Trade)との間で、日・EUハイレベル経済対話を開催しました。

1 冒頭発言

  1. 冒頭、上川大臣は、世界が歴史の転換点を迎える中、価値と原則を共有する日本とEUの協力が一層重要となっていることを指摘しつつ、国際貿易における直近の動向と日EU間の連携等について、率直に意見交換したい旨述べました。
  2. これに対し、ドムブロウスキス上級副委員長は、上川大臣の外務大臣就任をお祝いする、来日できて嬉しい旨述べました。

2 日EU・EPAに「データの自由な流通に関する規定」を含めることに関する交渉の大筋合意

  1. 三者は、昨年10月から交渉を続けてきた日EU・EPAに「データの自由な流通に関する規定」を含めることに関する交渉について、事務レベルで協定本文のテキストについて一致したことを受けて、同交渉が大筋合意に至ったことを確認し、これを歓迎するとともに、今後、早期署名に向け、速やかに具体的な条文案を確定できるよう、共に作業を加速化していくことを確認しました。
  2. 上川大臣は、大筋合意に至るまでのドムブロウスキス上級副委員長のリーダーシップと尽力に感謝しつつ、日EU・EPAを基礎に、日EU間の協力関係を一層強化していく旨述べました。
  3. これに対し、ドムブロウスキス上級副委員長は、今回の大筋合意はビジネスの円滑化にとっても大きな成果であり、歓迎する、早期署名に向け作業していきたい旨述べました。

3 直近の懸案事項

  1. 三者は、国際貿易における直近の懸案事項として、「経済的威圧への対処」や「強靱なサプライチェーンの構築」、「輸出管理」等の最近の動向について、率直に意見交換を行いました。上川大臣は、G7の連携や同志国間の連携が重要である旨強調しました。
  2. また、日EU間で事務レベルの「透明、強靱で持続可能なサプライチェーンを構築するための政策に関する国際協力作業部会」を設置することで一致しました。
  3. 本年8月に日本が開始したALPS処理水の海洋放出に関し、上川大臣から、我が国として引き続きIAEAのレビューを受けつつ、科学的根拠に基づき、高い透明性を持って国際社会に対して丁寧に説明していく旨述べ、EU側の理解を求めました。

4 結語

 上川大臣は、G7広島サミットの成果を確認し、法の支配に基づく開かれた国際秩序を維持・強化するとの認識を共有した本年7月の日EU定期首脳協議の成果も踏まえつつ、引き続きEUと連携していきたい旨述べました。三者は、日・EU間の協力関係の重要性を改めて確認しました。


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