報道発表

スリナムの水産業発展のための支援
(無償資金協力「経済社会開発計画」)

平成30年10月24日

1 10月23日(現地時間同日),スリナム共和国の首都パラマリボにおいて,我が方岡田光彦駐スリナム大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と先方イエルズ・ポラック=ビゲリ外務大臣(The Honourable Yldiz D. Pollack-Beighle, Minister of Foreign Affairs)との間で,4億円を供与額とするスリナムの水産業発展のための無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。

2 スリナムは,近年,順調な経済成長を実現しつつあるものの,国内市場が小さく,その歳入源を金,ボーキサイトを中心とする鉱産物や原油等の天然資源に大きく依存しており,外部経済の影響を受けやすいとの経済構造上の脆弱性を抱えています。これに対しスリナム政府は,鉱物資源に依存した経済構造からの脱却を目指すべく,農林水産業の発展による経済の多様化を推進しています。

3 スリナム政府は,「国家開発計画2017-2021」の中で水産分野の戦略的目標として,競争力があり持続可能な水産業の発展と企業育成,水産関連産業における雇用の創出等を掲げていますが,政府予算が逼迫する中で水産分野に十分な国家予算の投入ができず,水産関連設備・機材の刷新が困難となっています。

4 このような状況下,この協力は,我が国で製造された水産関連機材(製氷機,船舶監視レーダー,漁業取締船,保冷トラック等)を供与することにより,同国沿岸漁業の主要拠点であるコモウェイナ地区(首都に隣接する地区)の漁業関係者約1,400人の漁業生産基盤を整備し,漁獲物の品質改善を通じた所得向上や政府機関の密漁取締能力の強化を図り,同国水産業のGDPに占める割合(約4%)を後押しすることで,スリナム水産業の持続的な発展に寄与することが期待されます。

5 また,我が国は,2014年に安倍晋三内閣総理大臣が日・カリコム首脳会合で表明した「日本の対カリコム政策」の第一の柱として「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」(PDF)別ウィンドウで開く「日本の対カリコム政策」の第一の柱として「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」を着実に実施しています。その一環であるこの協力により,経済社会開発を支援することのみならず,それらの機材・製品等に対する認知度の向上を図り,継続的な需要を創出し,日本企業の海外展開に貢献することも期待されます。

[参考]スリナム共和国基礎データ
 スリナム共和国は,面積約16.4万平方キロメートル(日本の約2分の1),人口約55.8万人(2016年,世界銀行)の島嶼国。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は約6,990米ドル(2016年,世界銀行)。


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