報道発表

セントビンセント及びグレナディーン諸島の水産業発展のための支援
(無償資金協力「経済社会開発計画」)

平成30年10月12日

1 本11日(現地時間同日),セントビンセント及びグレナディーン諸島の首都キングスタウンにおいて,我が方岡田光彦駐セントビンセント及びグレナディーン諸島大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と先方ラルフ・E ゴンザルベス首相兼公共サービス・国家安全保障・法務・グレナディーン諸島問題大臣( Dr. The Honorable Ralph E. Gonsalves, Prime Minister and Minister of Public Service, National Security, Legal Affairs and Grenadines Affairs of Saint Vincent and the Grenadines) との間で,4億円を供与額とするセントビンセント及びグレナディーン諸島(以下,セントビンセント)の水産業発展のための無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。

2 カリブ海の小島嶼開発途上国であるセントビンセントは,国内市場が小さく,外部経済の影響を受けやすいことに加え,ハリケーン等の自然災害に対する脆弱性を有しています。同国政府は,国内産業の中核に水産業を位置づけ,水産分野の開発戦略として,生産性向上や持続可能な水産資源の利用促進,雇用機会の創出等を掲げています。

3 今回の協力の対象地域であるセントビンセント島西部のバルアリー村は古くからの漁村で,住民は,ブラックフィッシュ(ゴンドウクジラ)と呼ばれる小型の鯨を捕獲して生計を立てています。伝統的な手法で捕獲された鯨は浜辺で解体され,干し肉等の形態で各地に出荷されますが,衛生面での問題が指摘されています。今回の協力は,バルアリー村において,衛生的な環境で水産物を加工処理できる施設を建設し,水産関連機材を供与するものです。この協力により,セントビンセント水産業の持続的な発展及び水産物の安定的供給の確保を図り,社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。

4 我が国は,これまでの日・カリコム首脳会合において,同国の防災,環境,気候変動対策,水産等分野の支援を表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,本案件はその実現に貢献するものです。

[参考]セントビンセント及びグレナディーン諸島基礎データ
 セントビンセント及びグレナディーン諸島は,面積約390平方キロメートル(種子島より少し小さい),人口約11万人(2016年,世界銀行)の島嶼国。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は約6,770米ドル(2016年,世界銀行)。


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