報道発表
パキスタンに対する無償資金協力
「アフガン難民及びパキスタン若年層の保護計画」(UNHCR連携)に関する書簡の交換
1 本3日(現地時間同日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて,我が方倉井高志駐パキスタン大使と先方ルベンドリニ・メニクディウェラ国連難民高等弁務官事務所パキスタン事務所長(Ms. Ruvendrini Menikdiwela, UNHCR Representative in Pakistan)との間で,無償資金協力「アフガン難民及びパキスタン若年層の保護計画」(UNHCR連携)(供与限度額2億9,400万円)に関する書簡の交換が行われました。
2 パキスタンは,過去30年以上に亘りアフガン難民を受入れ,今なお,約140万人もの難民が居住し,その9割以上はハイバル・パフトゥンハー州(KP州),バロチスタン州及びパンジャブ州に居住しています。難民の大量流入により,これら地域の生活環境は悪化するとともに,難民とホストコミュニティの間に不和が生じ,同国の不安定な情勢の一要因となっています。同国政府は難民問題に取り組んでいますが,難民登録のためのProof of Registration (PoR) カードの有効期限が短く,度々延長申請が必要であるなど,難民は不安定な滞在状況下にあります。また,難民は就業や家を借りる等の多くの権利を制限され,日雇いの仕事による不十分な収入しか得られず,搾取,迫害,健康上のリスクにも直面しています。このため,アフガニスタンに帰還する準備ができない状況となっています。
3 この計画は,パキスタンに居住するアフガン難民に対する法的支援,保健支援,同難民及びパキスタン若年層に対する職業支援を行うものです。この協力により,アフガン難民約45,000人に対する逮捕・拘束,裁判及びPoRカードの更新・新規発行等に関する法的支援,バロチスタン州における同難民及びパキスタン若年層(約1,000人)に対する職業訓練,KP州及びバロチスタン州における同難民約430,000人に対する医療サービスの提供が行われます。同計画により,同難民の居住安定化及び生活環境改善,同難民とパキスタン若年層の生計向上に貢献し,同国の治安悪化防止に寄与することが期待されます。
[参考]パキスタン・イスラム共和国基礎データ
パキスタン・イスラム共和国は,面積79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ),人口約1.93億人(2016年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は1,510ドル(2016年,世界銀行)。