報道発表
特定通常兵器使用禁止制限条約
自律型致死兵器システムに関する政府専門家会合の開催
1 4月9日から13日まで,ジュネーブにおいて,特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組で,自律型致死兵器システム(LAWS)に関する政府専門家会合(GGE)が開催され,我が国を含む約80か国の他,国際機関,NGOが参加しました。我が国からは,髙見澤將林軍縮代表部大使を団長として,佐藤丙午拓殖大学国際学部教授,外務省,防衛省関係者が出席しました。
2 今回の政府専門家会合は,過去3年(2014年から2016年)にわたり開催された非公式専門家会合及び昨年11月の初めての政府専門家会合の成果を踏まえつつ,一般討論における各国,団体の代表者による意見表明の他,LAWSの特徴,人間と機械の相互関係さらにはLAWSに係る先端技術について議論が行われ,LAWSに関する認識の共有が図られました。
3 我が国からは,一般討論等において,人間が関与しない完全自律型の致死性兵器の開発を行う意図は有していないとの従来からの考え方を示した上で,日々発展を続ける人工知能(AI)を含む先端技術は,正しい使い方をすれば人類にとって明るい未来をもたらす可能性を秘めている一方で,誤って使用された場合,人類への大きな脅威になり得る旨述べました。そのような観点から,ロボット技術やAI技術において先進的な技術を有する我が国としては,民生分野における同技術の健全な発展を妨げるものであってはならず,今次GGEの中で民間部門の意見も参考に議論することは,より現実的な認識を共有するのに有意義である旨を述べました。
4 また,自律型致死兵器の使用にあたっては,人による有意の制御(MHC: Meanigful Human Control)が必要不可欠であるという考え方のもと,いかなる次元で人間の介入がなされるべきなのかといった議論を通じ,国際的な共通理解を得られるよう継続的な議論を支持する旨述べました。
5 今次政府専門家会合は,昨年11月のCCW締約国会議の決定に基づいて開催されたものであり,8月下旬には本年第2回目の会合が予定されています。我が国は,今後とも本件分野における国際的な議論に積極的かつ建設的に参加していく考えです。