報道発表
難民受入れを行うヨルダン,レバノン等支援のための円借款に関する書簡の交換
1 本22日(現地時間21日),アメリカの首都ワシントンにおいて,我が方佐々江賢一郎駐アメリカ合衆国大使と先方ジム・ヨン・キム世界銀行グループ総裁兼国際復興開発銀行総裁(Dr. Jim Yong Kim, President of the World Bank Group and the International Bank for Reconstruction and Development)との間で,総額1,000億円を限度とする円借款(国際譲許的融資制度(GCFF: Global Concessional Financing Facility)の枠組みを通じたヨルダン,レバノンその他の中東及び北アフリカ地域の中所得国支援のための借款)に関する書簡の交換が行われました。
2 対象案件の概要
(1)シリア危機発生後,ヨルダン,レバノンといった周辺国は難民の急増に直面しており,これに伴い受け入れ負担も膨大になっています。2016年9月,世界銀行は,主に中所得国に対して準商業的な融資等を供与する国際復興開発銀行(IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)等が,財政負担に苦しむこれらの中所得国に対して,通常よりも譲許的な条件による資金提供を行うための仕組みとして,GCFFを創設しました。
(2)本件は,我が国がIBRDに対して円借款を供与することで,IBRDの資金調達を支援し,IBRDからGCFFへの追加的な資金拠出を可能にするものです。これにより,GCFFを活用して,ヨルダン及びレバノン等に対して譲許的な条件による資金を提供できるようになり,これら難民受け入れ国の財政負担を緩和するとともに,持続可能な開発に貢献します。
(3)なお,IBRDに対する円借款の供与は今回が初めてとなります。
3 供与条件
(1) | 金利 | : | 0.1% |
(2) | 償還期間 | : | 40年(10年の据置期間を含む。) |
4 我が国は,2016年5月,G7伊勢志摩サミットにおいて中東地域安定化のための包括的支援として2016年から2018年の3年間で総額約60億ドルの支援を表明(PDF)しており,また,同年9月,難民及び移民に関する国連サミットにおいて2016年から3年間で総額28億ドル規模の難民・移民への支援を表明しており,本件は,これらの支援を具体化するものです。
[参考]
国際復興開発銀行(IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は,1945年に設立された国際開発金融機関であり,世界銀行グループを構成する機関のひとつ。中所得国および信用力のある低所得国に対する融資,保証及び分析・助言サービス等を通じて持続可能な開発の推進と貧困削減を図る。