報道発表

ブータンに対する無償資金協力「災害用緊急時移動通信網整備計画」に関する書簡の交換

平成29年12月19日

1 本19日(現地時間同日),インドのニューデリーにおいて,我が方平松賢司駐ブータン大使(インドにて兼轄)と先方ヴェツォプ・ナムギャル駐日大使(H.E. Mr.Vetsop Namgyel, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the Kingdom of Bhutan to Japan)(インドにて兼轄)との間で,ブータンに対する供与限度額9億7,900万円の無償資金協力「災害用緊急時移動通信網整備計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 ブータンには,急峻な地形の特徴から,各地域間のアクセスが悪く,孤立している地域が多く存在します。また,地震や土砂災害等の自然災害が頻発しており,災害時も含めた確実で安定的な通信手段の確保が不可欠となっています。

3 ブータンでは,現在,携帯電話の普及率は,固定電話の普及率(3.4%)を大きく上回る80%以上であり,市民の情報伝達の主要な手段であるものの,携帯電話の通信システムの冗長化は未進捗になっています。2015年4月に発生した隣国ネパールでの大地震の際には,ブータン国内で回線の輻輳による通話の断絶といった通信障害が発生したこともあり,通信安定のため,システムの冗長化を進めることは,同国の災害時の対応を含む緊急体制の強化と,安定的な発展にとって不可欠であることが確認されています。

4 この計画は,ブータンのブムタン県ジャカール市において,移動通信ネットワークの冗長化のためのシステムを整備するものです。この計画により,移動体通信サービスの中断時間が,現在の年10時間から,年0.25時間に短縮される見込みです。これにより,通信状況が改善され,安定的な通信が可能となります。また,自然災害時の対策として,緊急災害情報を速やかに発出できるようになり,リスクの軽減につながることが期待されます。

5 今回の無償資金協力は,我が国の気候変動分野における途上国支援策として実施するものでもあります。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動2.0(ACE2.0)(PDF)別ウィンドウで開く」を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3,000億円の気候変動対策支援を実施することを表明しています。我が国としては,ブータンと引き続き気候変動分野で連携していきます。

[参考]ブータン王国基礎データ
 ブータン王国は,面積38,394万平方キロメートル(日本の九州程の大きさ),人口約79.8万人(2016年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は2,510ドル(2016年,世界銀行)。


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