報道発表
税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約への署名
1 8日(現地時間7日),パリの経済協力開発機構(OECD)本部において,税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約(BEPS防止措置実施条約)の署名式が行われ,我が国からは政府を代表して薗浦健太郎外務副大臣が署名を行いました。
2 この条約は,税源浸食及び利益移転(BEPS)プロジェクトにおいて策定されたBEPSを防止するための措置のうち,租税条約に関連する措置を,この条約の締約国間の既存の租税条約に導入することを目的としています。この条約の締約国は,租税条約に関連するBEPS防止措置を,多数の既存の租税条約について同時かつ効率的に実施することが可能となります。
3 2015年10月に公表されたBEPSプロジェクトの最終報告書では,多国籍企業による国際的な租税回避に対応するための様々な措置を勧告しています。この条約は,BEPSプロジェクト行動15の勧告に基づき,我が国を含む約100か国・地域が参加した交渉によって策定され,2016年11月24日の交渉会合において採択された後,同年12月31日に全ての国及び特定の地域に対して署名のために開放されました。BEPSプロジェクトは,グローバルに協調して実施されてその真価を発揮するものであるところ,BEPSプロジェクトを先導してきた我が国としても,BEPSプロジェクトの成果の実施に向けて適切に対応していくため,今般,67か国・地域が出席して開催されたこの条約の署名式において,この条約に署名するに至りました。
4 この条約は,この条約に署名した5か国・地域が批准書,受諾書又は承認書を寄託することにより,その5番目の寄託から所定の期間が満了した後に,その5か国・地域について効力を生じます。その後に批准書等を寄託する国・地域については,それぞれの寄託から所定の期間が満了した後に効力を生じます。この条約は,この条約の適用対象となる各租税条約の全ての締約国についてこの条約が効力を生じてから所定の期間が満了した後に,その租税条約について適用が開始されます。我が国においては,この条約について批准書等を寄託するためには国会の承認が必要です。