報道発表
パキスタンに対する円借款に関する書簡の交換

本4日(現地時間同日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて,岸信夫外務副大臣及びホワジャ・ムハンマド・アーシフ水利電力大臣(H.E. Mr. Khawaja Muhammad Asif, Federal Minister for Water and Power of the Islamic Republic of Pakistan)立ち会いの下,我が方倉井高志駐パキスタン大使と先方アンジュム・アサド・アミン財務・歳入・経済・統計・民営化省経済担当次官補(Mrs. Anjum Assad Amin, Additional Secretary to the Government of the Islamic Republic of Pakistan, Ministry of Finance, Revenue, Economic Affairs, Statistics and Privatization, Economic Affairs Division)との間で,26億6,500万円を限度額とする円借款「イスラマバード・ブルハン送電網増強計画(フェーズ1)」に関する書簡の交換が行われました。
1 対象案件の概要(案件位置図(PDF))
パキスタンは,深刻な電力需給ギャップに直面しており,長時間の計画停電が発生し,経済活動にも多大な影響が生じています。電力不足を解消し,将来の電力需要の伸びへ対応するためには,発電設備の増強等とともに,発電量の増加に合わせた送配電系統,変電施設の増強が課題となっています。イスラマバード首都圏及び周辺地域では,発電所の増強に伴い電力供給の増加が期待されているものの,需要に対する十分な送電量が確保できておらず,送電網の増強が急務となっています。
本件は,イスラマバード首都圏及び周辺地域への電力供給に必要な既設送電線の増強を支援するものです。これにより,送電線の容量不足への改善を図り,もって安定的な電力供給を通じたパキスタンの経済基盤の改善に寄与することが期待されます。
2 供与条件
(1) | 金利 | : | 円LIBOR+10bp |
(2) | 償還期間 | : | 30年(10年の据置期間を含む。) |
(3) | 調達条件 | : | 一般アンタイド |
3 また,本件は,我が国の気候変動分野の途上国支援策の一環として実施するものです。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動2.0(ACE2.0)(PDF)」を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3,000億円の気候変動対策支援を実施することを表明しました。我が国としては,温室効果ガスの削減と気候変動の影響の最小化のため,パキスタンと引き続き連携していきます。
(参考)パキスタン・イスラム共和国基礎データ
パキスタン・イスラム共和国は,面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍),人口約1億8,892万人(2015年度,世界銀行),1人当たりの国民総所得(GNI)1,440米ドル(2015年,世界銀行)。