報道発表

薗浦外務副大臣の「アジア太平洋地域における統合イニシアティブに関するハイレベル対話」(閣僚級)への出席(結果)

平成29年3月16日

 3月15日(現地時間同日),薗浦健太郎外務副大臣は,チリのビニャ・デル・マールで開催された「アジア太平洋地域における統合イニシアティブに関するハイレベル対話」(閣僚級)に日本政府を代表して出席したところ,概要以下のとおりです(越智隆雄内閣府副大臣,中川俊直経済産業大臣政務官同席)。

1 この会議には,我が国のほか,太平洋同盟加盟国(チリ(主催国),コロンビア,メキシコ,ペルー),環太平洋パートナーシップ(TPP)協定原署名国(オーストラリア,ブルネイ,カナダ,マレーシア,ニュージーランド,シンガポール,米国,ベトナム),中国,韓国の計15か国の閣僚級等が出席しました。

2 会議における議論の概要は以下のとおりです。

(1)世界で保護主義の流れが強まっている中で,各国との間で,自由貿易の重要性について改めて認識を共有しました。特に,ルールに基づく開かれた自由な貿易の推進がアジア太平洋地域の経済成長にとって重要であること,また,自由貿易による利益をすべての人々が享受できるよう国内政策を進めていくことが重要であることについて各国の認識が一致しました。

(2)参加国は,今後も様々な機会をとらえ,アジア太平洋地域の経済連携のあり方について緊密に連携していくことを確認しました。

(3)薗浦副大臣からは,自由貿易こそが世界の進むべき道であり,貿易が「包摂的な成長」,すなわち,あらゆる人にとって有益な経済機会をもたらすものであることを強調するとともに,今後も中南米の重要なパートナーである太平洋同盟諸国とも協力しつつ,アジア・太平洋地域における経済連携を率先して促進していく旨発言しました。

3 薗浦副大臣は,この会議の機会に,以下の各国政府要人と二国間会談を行い,TPPを含むアジア太平洋地域における経済連携協定の今後の取り進め方や二国間の諸課題等について意見交換を行ったところ,概要は以下のとおりです。

(1)エラルド・ムニョス・チリ外務大臣(H.E. Mr. Heraldo Muñoz, Minister of Foreign Affairs of Chile)との会談

  • ア 双方で本年の日・チリ外交関係樹立120周年を通じて二国間関係を一層強化することで一致しました。
  • イ 薗浦副大臣から,この会議を主催したチリ政府のリーダーシップを評価し,反グローバリズムへの動きに対抗するアジア太平洋諸国の立場を発信したことは重要である旨述べ,ムニョス外務大臣から,TPP交渉で各国が合意したレベルの高い自由貿易水準を維持することが重要である旨述べました。
  • ウ 薗浦副大臣から,現在も行方不明となっている黒﨑愛海さんの事案の解決に向けた協力要請を行ったところ,ムニョス外務大臣は,チリの司法の独立に言及しつつ,フランス及び日本の要請には最大限対応しており,引き続き力強く尽力していく旨述べました。

(2)マリア・アンヘラ・オルギン・クエジャル・コロンビア外務大臣(H.E. Ms. María Angela Holguín Cuéllar, Minister of Foreign Affairs of ColombiaM)との会談

  • ア 薗浦副大臣から,日本のコロンビアの和平プロセスへの支持を改めて表明するとともに,現在の和平の実施段階においても,引き続きコロンビアの国造りに協力していくと述べました。これに対してオルギン外務大臣は,日本のこれまでの支援に感謝の意を表明しました。
  • イ 日・コロンビア経済連携協定(EPA)交渉については,両者が早期妥結に向け交渉を加速していくことで合意しました。

(3)マリア・クラウディア・ラコトゥール・コロンビア商工観光大臣(H.E. Ms. Maria Claudia Lacouture, Minister of Trade,Industry and Tourism of Colombia)との会談

 薗浦副大臣から,コロンビアが平和的発展の局面を迎える中,日本企業の同国への関心は高まっており,EPAの早期妥結によって貿易・投資を始めとする両国の経済関係に更にはずみを与えたいと述べ,双方は日・コロンビアEPAの早期妥結に向けて交渉を加速していくことで一致しました。

(4)エドガル・マヌエル・バスケス・ベラ・ペルー通商観光副大臣(H.E. Mr. Edgar Manuel Vesquez Vela, Vice-minister of Foreign Trade, Ministry of Foreign Trade and Tourism of Peru)との会談


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