報道発表
「貿易の円滑化に関する協定」の発効
1 本22日,貿易の円滑化に関する協定(以下「貿易円滑化協定」という。)を世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(以下「WTO協定」という。)に追加するための改正議定書(以下「改正議定書」という。)が,世界貿易機関(WTO)の全加盟国の3分の2に当たる110加盟国が受諾したため,WTO協定の規定に基づき,受諾した加盟国の間で発効しました。
2 この改正議定書は,WTO協定を改正し,同協定の附属書一Aに貿易円滑化協定を追加するものです。貿易円滑化協定は,平成7年のWTO設立以降初めて全加盟国が参加して新たに作成された協定であり,税関手続の透明性の向上及び迅速化等を目的とします。
3 貿易円滑化協定の実施により,我が国の企業が輸出先で直面することの多い貿易手続の不透明性,恣意的な運用等の課題が改善し,完成品の輸出のみならずサプライ・チェーンを国際的に展開している我が国の企業の貿易を始めとする経済活動を後押しすることが期待されます。また,途上国においては,貿易取引コストの低減による貿易及び投資の拡大,不正輸入の防止,関税徴収の改善等が期待されます。
(参考1)世界貿易機関(WTO)
世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)は,ウルグアイ・ラウンド交渉の結果,平成6年(1994年)に設立が合意され,平成7年(1995年)1月1日に設立された国際機関。WTO協定は,貿易に関連する様々な国際ルールを定めている。WTOはこうした協定の実施及び運用を行うと同時に新たな貿易課題への取組を行い,多角的貿易体制の中核を担っている。
なお,WTO協定において用いられる「国」は,WTO加盟国である独立の関税地域を含む。
(参考2)世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書
(1)平成26年11月28日(現地時間27日)にWTO一般理事会で採択。
(2)我が国は,平成27年6月1日に受諾済。
(3)改正議定書は,WTO協定第10条3の規定に従って,加盟国の3分の2が受諾した時に当該改正を受諾した加盟国について効力を生じ,その後は,その他の各加盟国について,それぞれによる受諾の時に効力を生ずる。
WTO協定第十条3
3.この協定又は附属書一A及び附属書一Cの多角的貿易協定の改正(2及び6に掲げる規定の改正を除く。)であって,加盟国の権利及び義務を変更する性質のものは,加盟国の三分の二が受諾した時に当該改正を受諾した加盟国について効力を生じ,その後は,その他の各加盟国について,それぞれによる受諾の時に効力を生ずる。(後略)