報道発表
ハイチに対する国連児童基金を通じた無償資金協力「コレラ予防及び対策強化計画」に関する書簡の交換
1 本22日(現地時間21日),ハイチ共和国の首都ポルトープランス市において,我が方八田善明在ハイチ大使と,先方マーク・ヴィンセント国際連合児童基金(UNICEF)ハイチ事務所代表(Mr. Marc Vincent, Representative, United Nations Children's Fund in Haiti)との間で,供与額2億9,500万円の無償資金協力「コレラ予防及び対策強化計画」に関する書簡の交換が行われました。
2 ハイチでは,2010年10月にコレラ感染が発生して以来,同国政府がUNICEFと協力しつつ対策に取り組み,当初35万件以上あった感染件数が2014年には約2万7,000件まで減少しました。しかし,2016年に入り再び状況が悪化し,同年10月に同国を通過したハリケーン・マシューの影響も受け,コレラは再び急速な感染拡大の傾向にあります。
3 ハイチは,ラテンアメリカ及びカリブ地域の最貧国であり,同国の人間開発指数は187か国中163位(国連開発計画,2015年)と低い水準にあります。特に,医療分野で課題が山積しており,安全な水へのアクセスの確保やトイレ等の適切な公衆衛生施設の整備における協力を必要としています。これらは,コレラ等の水因性感染症の予防・対策において不可欠であり,継続的な支援が求められています。
4 我が国は,UNICEFとの連携の下,2013年度及び2015年度に同国におけるコレラ対策強化のための協力を行い,着実な成果を挙げています。この計画は,こうした協力の効果を継続しつつ,今般の更なるコレラの感染拡大に対応し,優先度が高いとされる6県を中心に,予防及び対策能力を強化するために行うものです。この協力により,給水・衛生設備の整備・改修,維持管理能力の向上,衛生教育及び啓発活動を通じ,安全な水の利用を促進し,市民の衛生習慣を改善することで,コレラ発生率が低減することが期待されます。
(参考)ハイチ共和国基礎データ
ハイチは,面積約2.77万平方キロメートル(北海道の約1/3)。人口約1,071万人(2015年,世界銀行)。1人当たりの国民総所得(GNI)は820米ドル(2015年,世界銀行)。