報道発表
アンティグア・バーブーダに対する無償資金協力に関する書簡の交換
1 1月23日(現地時間同日),アンティグア・バーブーダの首都セントジョンズにおいて,我が方岡田光彦駐アンティグア・バーブーダ大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と先方ガストン・ブラウン首相(The Hon. Gaston Browne, Prime Minister)との間で,我が国の防災機材を活用した供与額2億円の無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。
2 カリブ海上の島国であるアンティグア・バーブーダは,外部経済の動向,気候変動や自然災害の影響を受けやすいといった小島嶼国特有の脆弱性の克服が課題となっています。「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」は,2014年に安倍内閣総理大臣が日・カリコム首脳会合で表明した「日本の対カリコム政策」の第一の柱です。一度災害に見舞われると社会的にも経済的にも大きなダメージを受けることから,防災,減災は同国にとって非常に重要となっているほか,同国は干ばつ等の影響から慢性的な水不足に対処するための総合的な水資源管理に取り組んでいます。
3 今回の協力は,エルニーニョ現象による干ばつの被害により深刻な水不足に直面し,気候変動等の影響による更なる自然災害の被害緩和に取り組むアンティグア・バーブーダ政府に対する無償資金協力として,防災分野で知見を有する我が国で生産される飲料水及び農業用水確保のための機材・製品等を供与するものです。水不足の解消はアンティグア・バーブーダ政府が積極的に取り組んでいる課題であり,この計画により,同国の災害対策及び経済社会開発を支援するのみならず,それらの機材・製品等に対する認知度の向上を図り,継続的な需要を創出し,日本企業の海外展開に貢献することが期待されます。
4 さらに,今回の無償資金協力は,我が国の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものでもあります。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動2.0(ACE2.0)」を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3,000億円の気候変動対策支援を実施することを表明(PDF)したところです。我が国としては,アンティグア・バーブーダと引き続き気候変動分野で連携していきます。
(参考)アンティグア・バーブーダ基礎データ
アンティグア・バーブーダは,カリブ海東部の小アンティル諸島に位置する,面積約440km2(種子島とほぼ同じ),人口約9万2,000人(2015年,世界銀行)の小島嶼国。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は13,390米ドル(2015年,世界銀行)。