報道発表
世界人道サミット(結果)

5月23日,トルコのイスタンブールにおいて,世界人道サミットが開催され,福田康夫元内閣総理大臣が日本政府代表として出席したところ,概要は以下のとおりです。
1 世界人道サミットは,潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の呼びかけによって初めて開催され,福田政府代表の他,レジェップ・タイップ・エルドアン・トルコ共和国大統領(H.E. Mr. Recep Tayyip ERDOGAN, President of the Republic of Turkey),アンゲラ・メルケル・ドイツ連邦共和国首相(H.E. Dr. Angela Merkel, Chancellor of the Federal Republic of Germany)等の各国首脳,潘基文国連事務総長をはじめとする国際機関の長,NGO,企業関係者,学術関係者等約9,000名が参加し,中東地域の難民問題を含む深刻化する人道危機への効果的な対応について議論し,具体的な行動を取ることを表明しました。
2 このサミットでは福田政府代表から,世界の深刻な現場で苦しんでいる方々が,自らの手で自らの国の未来を切り開くための「力」を手に入れてもらうべく,中東・北アフリカにおける社会安定化とすべての人を支える成長を実現するための支援を発表しました。具体的には,今後3年間で2万人の中東各国の人材育成,シリア人留学生の拡大,国際協力機構(JICA)の人道支援チームによる人的貢献の拡大であり,こうした支援の総額は,今後3年間で約60億ドルの規模になります。
3 難民問題を始めとする世界の人道危機については,5月26日から我が国で開催されるG7伊勢志摩サミットでも議論される予定であり,福田政府代表は,世界人道サミットの内容がG7伊勢志摩サミットにも反映されることを確信している旨述べました。
4 また,日本は,国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国連開発計画(UNDP),JICA等と協力し「人道と開発の連携」をテーマとしたサイドイベントを開催しました。国際機関,NGO,難民受け入れ国,難民支援国等の参加を得て,深刻さを増す難民問題へのこれまでの取組を検証するとともに,今後の展望についての活発な意見交換が行われました。
5 なお福田政府代表は,世界人道サミットに出席した機会を利用して,潘基文(パン・ギムン)国連事務総長,エルドアン・トルコ大統領,黄教安(ファン・ギョアン)大韓民国国務総理,ゲイル・スミス米国国際開発庁長官(Ms. Gayle Smith,Administrator of the United States Agency for International Development)と短時間立ち話を行い,深刻な人道状況に対処するため,今後一致して協力を進めていきたい旨述べました。