報道発表
中根外務大臣政務官によるサルムサイ・ラオス外務副大臣との会談(結果)
本20日午後2時10分(現地時間同日正午)から約30分間,バンドン会議60周年閣僚会議出席のためインドネシア・ジャカルタを訪問中の中根一幸外務大臣政務官は,サルムサイ・コンマシット・ラオス外務副大臣(H.E. Mr. Saleumxay Kommasith, Vice Minister of Foreign Affairs of the Lao People’s Democratic Republic)との間で会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭発言
中根政務官から,先般のサルムサイ副大臣による第3回国連防災世界会議への出席に謝意を伝えるとともに,本年1月の自身のラオス訪問にも言及しつつ,日ラオス外交関係樹立60周年である本年3月のトンシン首相の訪日の際に格上げされた「戦略的パートナーシップ」の下,幅広い分野で協力を強化したい旨述べました。
これに対し,サルムサイ副大臣からは,外交関係樹立60年となる本年は両国関係にとり重要,これまでの関係を総括しつつ,両国関係を一層発展させていく観点から,先般,両国関係を「戦略的パートナーシップ」へと格上げした旨発言がありました。
2 二国間関係
中根政務官から,4月1日からラオスの公用旅券所持者に対する査証免除の運用を開始したことにより,両政府間の対話が促進されることを期待する旨述べました。さらに,中根政務官から,ラオスの更なる発展には有能な人材の確保が不可欠であり,ラオスの人材育成分野の協力を行う予定である,また,来年ASEAN議長国を務めるラオスとの一層の連携強化に向けて,2002年に日本の無償資金協力で建設された国際協力・研修センターの改修支援を決定したため,同センターが来年のASEAN関連会合で再び有意義に活用されることを期待する旨述べました。
これに対し,サルムサイ副大臣は,公用旅券所持者に対する査証免除開始について,歓迎の意を表すとともに,日本政府が人材育成を含む教育分野を重点分野の一つとして支援していることに謝意が表明されました。また,サルムサイ副大臣からは,日本の支援の特色は,誠実で質が高い点にあるとして深い謝意が表明されました。さらに,天然資源に乏しい日本が戦後復興を果たした経験から学びたいとの発言がありました。
これを受けて,中根政務官は,日本の奨学金で学んだラオスの方が将来ラオスの指導者として活躍されることを期待する旨期待を述べおきました。
3 地域・国際協力
中根政務官から,7月にトンシン首相もお迎えし,東京で開催予定の日メコン首脳会議において,本年末のASEAN共同体発足を控え,日メコン協力の新戦略を策定すべく,ラオスからの積極的な参画を歓迎する旨述べました。また,本年2月にサルムサイ副大臣が米国と共同議長を務めた「メコン河下流域フレンズ特別会合」には日本も積極的に参加しており,今後もメコン河委員会を通じ洪水対策等の支援を実施したい旨述べました。
これに対し,サルムサイ副大臣から,7月の日メコン首脳会談の準備を進めている,「メコン河下流域フレンズ特別会合」のCLV(カンボジア,ラオス,ベトナム)から成る三角地帯への日本の支援に謝意が表明されました。
この他,双方は,安保理改革についても意見交換し,サルムサイ副大臣からは,新たな国際情勢を踏まえ国連及び安保理を改革していくことが重要との認識を示しつつ,安保理改革を含む国連改革に関する日本の立場を支持するとの発言がありました。