アジア

平成27年1月20日
1月13日(火曜日)から16日(金曜日)まで,中根一幸外務大臣政務官は,カンボジア及びラオスを訪問したところ,概要は以下のとおりです。

カンボジア(13日~15日)

フン・セン首相表敬
日カンボジア航空協定署名式

1 日程概要

13日:(シアムリアップ)アンコール遺跡修復現場視察,アンコール共生病院等視察,シアン・ナム国民議会議員及びキム・ブンソーン・シアムリアップ州知事との昼食会,
(プノンペン)故高田晴行警視(国連カンボジア暫定機構・文民警察官)及び故中田厚仁氏(国連ボランティア)慰霊碑への献花,ロン・ビサロ外務国際協力省長官との夕食会

14日:「つばさ橋」(ネアックルン橋梁)桁閉合式出席,ソー・ケン副首相兼内務大臣表敬,ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣表敬,日カンボジア航空協定
署名式,イオンモール・プノンペン視察,在留邦人との夕食会

15日:フン・セン首相表敬,イム・チャイリー副首相(農業・農村開発担当)表敬,二ロート浄水場(日本政府の有償資金協力案件)視察,プノンペン経済特区視察

2 主な行事の概要

(1)カンボジア政府要人との会談

フン・セン首相,ハオ・ナムホン副首相兼外相,ソー・ケン副首相兼内相等との二国間関係,地域・国際場裡の協力等に関する意見交換の主要点は以下のとおりです。
 
ア 二国間関係全般
中根政務官より,両国友好条約署名60周年及びASEAN共同体発足の年の年頭に訪問でき嬉しい,日本は「積極的平和主義」の立場から,地域と世界の平和と安定に一層貢献していく旨発言しました。これに対し,フン・セン首相は,日本のカンボジア和平及び国作りのための支援への謝意を表明し,日本はカンボジアに初めて本格的なPKO要員を派遣し,現在も国連の活動に多大の貢献をされている旨述べました。
 
イ 選挙改革支援
中根政務官より,ソー・ケン副首相兼内相に対し,選挙改革支援のための専門家を派遣する用意がある,与野党が合意する形で選挙改革の内容が早期に明確になることを期待する旨述べました。これに対し,先方は,専門家派遣を歓迎するとし,選挙改革に関する与野党協議の現状を説明しました。
 
ウ 日メコン協力
中根政務官より, 7月に東京で開催予定の第7回日メコン首脳会議では,フン・セン首相の参加を得てASEAN経済共同体発足後の日メコン協力の新たな戦略を議論したい旨述べました。これに対し,先方は,本件会議を重視する,メコン地域開発における日本の役割は重要である旨述べました。
 
エ 国連改革
中根政務官より,フン・セン首相に対し,国連創設70周年の本年,安保理改革を前進させたいと述べました。先方は,カンボジア政府は国連改革に積極的に関与する旨述べました。
 
オ 経済
中根政務官より,日系企業が数多く進出するカンボジアにおける投資環境の更なる整備を求め,その一環として送配電網整備のための円借款(供与限度額:38億円)の供与を決定した旨伝達した。これに対して,フン・セン首相から電力料金引き下げにつき言及がありました。また,ジム・チャイリー副首相との間で農業協力の重要性につき一致しました。

(2)「つばさ橋」(ネアックルン橋梁)桁閉合式

中根政務官は,無償資金協力(供与限度額:119億4,000万円)によるネアックルン橋梁の橋桁閉合式で,同橋梁により,南部経済回廊の交通が劇的に改善され,連結性向上に資すると確信する旨述べました。フン・セン首相は,本橋梁の名称を「つばさ橋」と発表するとともに,日本のODAで建設された「きずな橋」とともに「つばさ橋」を印刷した紙幣の発行を同式典に合わせて決めたとし,感謝の意を表明しました。

(3)日カンボジア航空協定署名式

昨年6月の岸田外務大臣のカンボジア訪問の際に実質合意に至った日カンボジア航空協定の署名式(署名者:隈丸駐カンボジア大使,マオ民間航空庁長官)が,ハオ・ナムホン副首相兼外相及び中根政務官立ち合いの下で行われました。

ラオス(16日)

トンシン首相表敬
日ラオス外交関係樹立60周年オープニング記念夕食会

1 日程概要

16日:トンシン首相表敬,トンルン副首相兼外務大臣表敬,ソムディー計画投資大臣表敬,日ラオス航空協定署名式,アルンケオ外務副大臣との会談,ラオス国立大学の学生との交流,日ラオス外交関係樹立60周年オープニング記念夕食会

2 主な行事の概要

(1)ラオス政府要人との会談

トンシン首相,トンルン副首相兼外務大臣,ソムディー計画投資大臣,アルンケオ外務副大臣との二国間関係,地域・国際場裡の協力等に関する意見交換の主要点は以下のとおりです。
 
ア 二国間関係全般
中根政務官より,本年の日ラオス外交関係樹立60周年を盛り上げるべく,政務官再任後初の外遊先としてラオスを訪問した,2016年にASEAN議長国を務めるラオスの地域・国際場裡における役割は重要であり,日本も「積極的平和主義」の立場から地域と世界の平和と安定に一層貢献していく旨述べました。これに対し,先方からは,中根政務官のラオス訪問を歓迎するとともに,日ラオス外交関係樹立60周年の機会に,両国関係を一層発展させたい旨述べました。
 
イ 経済関係
中根政務官より,近年,日本企業のラオスへの投資が増大しており,雇用創出や労働者の技能向上を通じて引き続きラオスの持続的成長に貢献していきたい,昨年4月のJETRO事務所開設により今後更なる投資促進を期待している旨述べるとともに,ラオス政府に対し投資環境改善に向けた更なる取組を要請しました。これに対し,先方からは,過去2年,日系企業の投資が増加していることに触れつつ,投資環境の整備に向けて互いに協力していきたい旨述べました。
 
ウ 開発協力
中根政務官より,本年は,青年海外協力隊創設50周年にあたり,我が国が最初に協力隊員を派遣したラオスにおいて,現在でも協力隊員が活躍していることを嬉しく思うと述べました。また,質の高いインフラ整備支援や不発弾処理等のラオスにおける我が国の開発協力についても説明しました。これに対し,先方からも本年が青年海外協力隊創設50周年であることに言及しつつ,これまでの日本政府による支援に謝意が表明されました。
 
エ 国際場裡における協力
中根政務官より,本年7月の日メコン首脳会議では,トンシン首相の参加を得てASEAN共同体発足後の日メコン協力の新たな戦略を議論したい,さらに,3月に仙台にて開催予定の第3回国連防災世界会議にもラオスからハイレベルの参加を得たい旨述べました。
 
オ 国連改革
中根政務官より,国連創設70周年の本年,安保理改革を前進させたいと述べました。これに対し,先方は,日本側の提案を支持する旨述べました。

(2)日ラオス外交関係樹立60周年オープニング記念夕食会

中根政務官は,トンルン副首相兼外務大臣と共に日ラオス外交関係樹立60周年オープニング記念夕食会に出席し(ラオス側から,他にソムディー計画投資大臣,ブンチャン公共事業運輸大臣ら2名の閣僚も出席),両国は「包括的パートナーシップ」関係の下,地域や国際社会の諸課題に取り組む良きパートナーである,近年は人的交流も拡大の一途をたどっており,今後も日ラオス関係が順調に発展することを祈念する旨の挨拶を行いました。

(3)日ラオス航空協定署名式

昨年6月の三ツ矢外務副大臣(当時)のラオス訪問の際に実質合意に至った日ラオス航空協定の署名式(署名者:岸野駐ラオス大使,ブンチャン公共事業運輸大臣)が,中根政務官立ち合いの下で行われました。

(4)大学生との交流

草の根レベルの交流促進の観点から,中根政務官は,ラオス国立大学を訪問し,日本語を学習している学生を中心に,なごやかな雰囲気の中,若者達の質問に答える形で,意見交換が行われました。

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