報道発表

薗浦外務大臣政務官のインドネシア訪問およびOECD東南アジア地域フォーラムへの出席(結果)

平成27年3月25日
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 3月24日から25日まで,薗浦健太郎外務大臣政務官はインドネシアを訪問し,2014年5月に日本が議長国を務めた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会において安倍総理大臣が「OECD東南アジア地域プログラム」を立ち上げた後初の会合となる,第2回「OECD東南アジア地域フォーラム」(OECD・インドネシア政府の共催。3月25日開催)に出席したところ,結果概要は以下のとおりです。

1 概要
   第2回「OECD東南アジア地域フォーラム」は,「開かれた地域経済統合の促進(Enhancing Regional Integration and Openness)」をテーマに,4つのセッションを設け,グリアOECD事務総長,リム・ホンヒンASEAN事務次長の他,バンバン・インドネシア財務大臣をはじめとするASEAN加盟国代表,OECD加盟国代表,東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)等の地域国際機関,学識経験者,企業関係者など,幅広い層からの参加を得て,活発な議論が行われました。
 薗浦政務官は,本フォーラムにおいてオープニングスピーチを行った他,本フォーラムに出席したグリアOECD事務総長,バンバン・インドネシア財務大臣,ホー・サメット・カンボジア女性省長官との会談,及び,リム・ホンヒンASEAN事務次長等との立ち話を行いました。
 また,薗浦政務官は,ジャカルタ訪問の機会を活用し,ジャカルタ駐在の邦人企業関係者との間で,邦人企業の活動状況や広報戦略等について意見交換を行った他,文化広報関連の施設を視察しました。

2 薗浦政務官によるオープニングスピーチ概要
   バンバン・インドネシア財務大臣,グリアOECD事務総長,リム・ホンヒンASEAN事務次長に続いて,薗浦政務官から,オープニングスピーチを概要以下のとおり行いました。
 東南アジアは,経済危機後も堅実な成長を続ける世界の成長センター。ASEANが経済統合を進めて,持続的な成長と社会の豊かさを実現することは,東南アジアのみならず,世界経済全体にとって戦略的利益。
 日本は50年前にOECDに加盟し,国内の改革を推進。今日においても,OECDの分析と政策提言を一層活用。日本は,アジアからの初のOECD加盟国として,OECDと東南アジアの関係強化を一層支持。ASEANの隣国として,東南アジアの発展を重視し,日本自身の経験から,OECDが同地域の発展に貢献できると確信。
 本年は,ASEAN共同体構築に向けて,東南アジアにとっても極めて重要な年。「OECD東南アジア地域フォーラム」において,ASEAN経済統合の利益や,統合されたAESANとの関わり等につき,ASEANとOECDの英知を結集して議論し,有効なメッセージを打ち出すことは,時宜を得たもの。本フォーラムが,経済統合を後押しするモメンタムにつながることを期待。
 全てのステークホルダーが対等な立場で関わり,互いに耳を傾け,学び合う「3L(Linking, Listening, Leaning)」の精神で,OECDと東南アジアの協力を進展させていくため,日本は,引き続き,OECDと東南アジアの橋渡し役として貢献していく考え。

3 薗浦政務官と本フォーラム出席者との意見交換の概要

(1)グリアOECD事務総長
 薗浦政務官から,「OECD東南アジア地域プログラム」の着実な進展を評価するとともに,OECD事務局の取組に謝意を表明し,日本としてもOECDと東南アジアとの橋渡し役を果たしていく旨述べました。
 これに対し,グリア事務総長から,「OECD東南アジア地域フォーラム」への薗浦政務官の出席とOECDと東南アジア地域との関係強化に向けた日本の取組への謝意が表明された他,OECDの中国,インドネシアを含む東南アジアへのアウトリーチについて,説明がありました。
 この他,両者は,本年4月に予定されているグリア事務総長の訪日,日本の財政・経済政策等,幅広い分野について,意見交換を行いました。

(2)バンバン・インドネシア財務大臣
 薗浦政務官から,「OECD東南アジア地域フォーラム」開催にあたり,インドネシアのイニシアティブに謝意を表明するとともに,日本はOECDと東南アジアとの関係強化を一貫して支持する旨述べ,「OECD東南アジア地域プログラム」がインドネシアの更なる持続的発展につながることへの期待を表明しました。また,ジョコ大統領の訪日を通じて,日インドネシア関係は新たなステージを迎えており,今後も様々な分野で両国関係を強化していきたい旨述べました。
 これに対し,バンバン大臣から,昨年5月のOECD閣僚理事会において日本が議長国として貢献した結果として「OECD東南アジア地域プログラム」が立ち上げられたことに謝意が表明されるとともに,インドネシアとしても,日本と緊密に協力しつつ,「OECD東南アジア地域プログラム」を有効に活用していきたい旨述べました。
 この他,両者は,ビジネス・投資,租税・金融,エネルギー,貧困対策を含む政策等,幅広い分野について,意見交換を行いました。

(3)ホー・サメット・カンボジア女性省長官
 薗浦政務官から,OECDと東南アジアとの関係強化がカンボジアの今後の更なる発展につながることを期待する旨述べるとともに,本年は日カンボジア友好条約署名60周年の節目の年であり,3月の日カンボジア首脳会談が両国の一層の関係強化に資することを期待している旨述べました。また,「WAW!女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(World Assembly for Women in Tokyo)」をはじめとする,安倍総理大臣が政策の柱として掲げる「女性が輝く社会」実現に向けた日本の取り組みについて,詳細を説明しました。
 これに対し,ホー・サメット長官から,日本の無償資金協力により開通予定のメコン河を結ぶ「つばさ橋」や,カンボジアのジェンダー分野に関する支援に対して謝意が表明されるとともに,日本の協力を得て,カンボジア国内の女性の地位向上,社会参画の推進につなげていきたい旨述べました。

4 評価

(1)今回の「OECD東南アジア地域フォーラム」は,2014年5月に日本が議長国を務めたOECD閣僚理事会において安倍総理大臣が「OECD東南アジア地域プログラム」を立ち上げた後,初の会合。同フォーラムは,ASEAN経済統合推進及び東南アジア諸国の改革を支援することを目的としており,ASEAN共同体構築に向けて,時宜を得た会合となりました。

(2)日本からは,(ア)薗浦政務官が出席し,前年に引き続き,OECD加盟国として唯一オープニングスピーチを行うことで,東南アジア地域の今後の発展に資するOECDとの関係強化に対する日本のコミットメントを示しつつ,(イ)各セッションにも日本からの参加者等を得て,具体的な議論の中で知的貢献を行う等,OECDと東南アジアとの関係強化の橋渡しを担う日本の役割を印象づける結果となりました。

(3)薗浦政務官が,グリアOECD事務総長,バンバン・インドネシア財務大臣をはじめ,OECD,ASEAN,インドネシア等域内国との間で会談や対話を行い,OECDの活動や,二国間関係,日本の経済・社会・財政問題やグローバルな課題等幅広い分野における意見交換を通じて,これら機関・諸国との一層の関係強化に貢献しました。

(4)なお,3月26日に開催される「OECD東南アジア地域プログラム」第1回運営グループ会合においては,OECD加盟国から日本(兒玉和夫OECD代表部大使),東南アジア諸国からインドネシアが,運営グループの共同議長に選出される予定です。本運営グループは,OECDとASEANとの間の優先協力分野における進捗報告を受け,今後の活動の方向性を決定するものであり,OECDと東南アジアとの関係強化における日本の一層のプレゼンス向上が期待されます。


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