報道発表

野口元郎最高検察庁検事のスリランカ失踪者調査委員会諮問委員会委員への任命

平成26年11月27日

1 11月26日,スリランカ民主社会主義共和国政府は,野口元郎最高検察庁検事(元カンボジア・クメール・ルージュ特別法廷最高審裁判官,国際刑事裁判所被害者信託基金理事長)を,スリランカ大統領の設置による失踪者調査委員会の諮問委員会委員に任命しました。

2 2009年に内戦が終結したスリランカにおいては,永続的な平和の定着に向けた国民和解の実現が課題となっています。こうした中,スリランカ政府は,内戦中の失踪案件の調査を通じて国民和解を進めるべく失踪者調査委員会を立ち上げ,国内的取組を進めていますが,諮問委員会は,その信頼性や中立性を高める上で重要な役割を担っています。本任命は,本年9月のスリランカ訪問時に安倍晋三内閣総理大臣が表明した我が国貢献の一環となるものです。

3 平和構築は我が国の主要外交政策の一つであり,長年に亘りスリランカ和平に積極的に貢献してきた我が国は,同国における真の国民和解の実現に向けた取組を後押しするために引き続き関与していきます。野口検事がその知見と経験を活かして諮問委員会に貢献し,失踪者調査委員会の活動を通じ国民和解が一層促進することを強く期待します。

(参考)スリランカ失踪者調査委員会

(1) スリランカでは,1983年以降約26年にわたり,北・東部の分離独立を目指す反政府武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」との間で内戦状態にあったが,2009年に政府軍がLTTEを制圧し内戦が終結。我が国も2002年以降,明石康・元国連事務次長を「スリランカにおける平和構築及び復興・復旧担当政府代表」に任命し,同国の和平プロセスを積極的に支援。内戦終結後も,永続的和平と持続的発展を達成するために,スリランカ政府の国民和解に向けた努力を後押ししている。

(2) 2013年8月,スリランカ大統領は内戦中の失踪案件を巡る事実関係やその責任者,救済措置について調査を実施し報告書を纏める失踪者調査委員会を設置(委員長はマックスウェル・パラナガマ元最高裁判事)。同委員会はこれまで19,571件の申し立てを受けており,現在北・東部州各地で公聴会を実施している。

(3) 2014年7月,政府は失踪者委員会の調査任務を拡大(内戦中の一般市民の死亡に関する事実関係及び状況把握,国際人道法及び国際人権法の侵害等)するとともに,同委員会の要請に応じその作業に関し勧告するために外国人専門家で構成される諮問委員会を新たに設置。現在までに欧米及びアジアから計6名の委員が任命されている。

(4) 諮問委員会の委員

  • デスモン・デ・シルバ(Sir Desmond De Silva, 英国)(委員長)
  • ジェフリー・ナイス(Sir Geoffrey Nice, 英国)
  • デイビッド・M・クレーン(Prof. David M. Crane,米国)
  • アブダシュ・カウシャル(Prof. Avdash Kaushal,インド)
  • アフメール・ビラ-ル・ソーフィ(Mr. Ahmer Bilal Soofi,パキスタン)
  • 野口元郎(Mr. Motoo Noguchi,日本)
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