報道発表

人間の安全保障基金を通じたパラグアイにおける人間の安全保障強化事業及び人間の安全保障普及事業に対する支援

平成26年10月7日

1 今般,国際連合から我が国に対し,パラグアイ共和国における人間の安全保障強化事業(約154万ドル)及び人間の安全保障普及事業(約13万ドル)の以下の2件の事業に対して,人間の安全保障基金を通じて支援を行うことを決定した旨通報がありました。この基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して国連に設置されたものです。

2 パラグアイ・チャコ地方における人間の安全保障強化事業
 この事業では,国連開発計画(UNDP),世界食糧計画(WFP)及び世界保健機関(WHO)が,保健,食糧,環境,経済分野の脅威や課題を克服するため脆弱な状況にある地域の保護と地域組織の能力強化を行います。この事業により,パラグアイ・チャコ地方の脆弱層に対する人間の安全保障の推進が期待されます。

3  国連広報局(DPI)による人間の安全保障普及事業
 この事業では,国連広報局が国連人間の安全保障基金を通じて実施された各事業の教訓や好事例に関するテレビ用素材を作成し,テレビやソーシャル・メディア等を通じて,人間の安全保障の概念に関する周知・普及活動を行います。

(参考1)人間の安全保障基金
 人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約428億円(約3億9,021万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係の国際機関が行う223件のプロジェクトを支援してきている。

(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議と国連事務総長報告書
 2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。同決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論が大きく前進した。
 同決議を受け,2014年1月21日,人間の安全保障に関する事務総長報告書が発出された。本報告書では,人間の安全保障を,平和と安全保障・開発・人権という3つの相互関連性のある国連の柱に関係する普遍的な枠組みと位置付け,人間の安全保障の利点,付加価値及び有用性が説明されている。


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