報道発表
WTO紛争解決『アルゼンチン-輸入制限措置』パネル報告書の公表
平成26年8月22日
1 本22日(現地時間同日),WTO紛争解決手続に基づいて,我が国,米国及びEUがアルゼンチンに対して申立てを行っていた紛争案件『アルゼンチン-輸入制限措置』に関して,申立国の主張を全面的に認め,アルゼンチンの措置がWTO協定に非整合的であるとし,措置の是正を求めるパネル報告書が公表されました。
2 我が国は,このパネルの判断を歓迎するとともに,今回の報告書を受け,アルゼンチンが,WTO協定に整合しないと認定された措置を誠実かつ速やかに是正することを求めます。
(参考)本件の経緯と概要
(1)2008年以降,アルゼンチン政府は非自動輸入ライセンスの対象品目を大幅に増加し,2012年には事前輸入宣誓供述制度(注:輸入手続を始める前に輸入品目,数量,額等についてアルゼンチン連邦歳入庁等から承認を受けなければならないとする制度)を導入するなど一連の輸入制限措置を導入。またアルゼンチン政府は輸出入均衡要求を実施しており,それによって事前輸入宣誓制度における承認や非自動輸入許可発給の条件として輸入業者はアルゼンチン産品の輸出等を求められる場合がある。アルゼンチン政府に対し,累次にわたり懸念を表明してきたが,これまでアルゼンチン側から何ら改善の道筋が見られなかった。
(2)2012年8月,日本は米国等と共に,アルゼンチンに対してWTO協定に基づく協議を要請。また,2012年12月,米国,EUと共に,WTOにパネル設置要請を行い,2013年1月にパネルが設置された。
(3)パネル報告書は,WTO紛争解決了解の規定により,当事国が上訴をしない場合には,報告書の全加盟国送付の後60日以内にWTO紛争解決機関において採択され判断が確定する。