報道発表

岸田外務大臣とミード・メキシコ外務大臣の会談

平成26年6月27日

 本27日,午後12時から30分間及び12時30分から1時間,岸田外務大臣は,外務省賓客として訪日したホセ・アントニオ・ミード・クリブレーニャ・メキシコ外務大臣(H.E. Dr. José Antonio MEADE KURIBREÑA, Secretary of Foreign Affairs)と外相会談及び昼食会を行いました。概要は以下のとおりです。

1 冒頭,岸田大臣から,昨年4月のメキシコ訪問時における温かい歓待に謝意を述べつつ,本年1月に開催された「シリアに関する国際会議(ジュネーブ2)」以来の再会を嬉しく思う,今次訪日において,日本への好印象を持って帰られることを期待する旨述べました。特に今年は「日墨交流年」を通じて,400年以上に亘る両国交流に思いを馳せる年であり,二国間関係強化の一層の進展に向けて協力したい旨述べました。

2 ミード外務大臣は,日本の訪日招待に感謝を表し,2012年に岸田大臣と同じ頃に就任したが,初めてメキシコに迎え入れた外務大臣は岸田大臣であったこと,また日本はアジアで最も古い友人であり,これまでの交流の歴史はその証左である旨述べました。また,本年は,岸信介元総理のメキシコ訪問55周年にあたり,同訪問を機に日産を始めとする日本投資が開花し,また30年前の安倍晋太郎元外務大臣訪問時には,当時,対外債務に悩まされていたメキシコを日本が支援したことをメキシコは長く記憶に留めている旨述べました。更に,日墨貿易額もこの10年間で倍増した結果220億ドルに達し,投資拡大も顕著であり,メキシコを訪問する日本人旅行者は10万人を突破した旨述べました。また,メキシコ政府として,安倍総理のメキシコへの招請を改めて確認したい旨述べ,ミード外務大臣と岸田大臣は,安倍総理のメキシコ訪問に向けた準備を双方が加速していくことに合意しました。

3 岸田大臣より,日墨の友好関係が強化されていることを歓迎している旨述べました。また,アジア太平洋地域を取り巻く厳しい戦略環境に言及しつつ,日本は国際協調主義に基づき積極的平和主義を推進し,国際社会の安定と繁栄に貢献していく,我が国の平和国家としての歩みは不変である旨述べました。また,国際社会における力による現状変更は許されないものであり,国際法に基づく国際社会の平和と安定を重視している旨述べました。これに対しミード外務大臣より,中南米地域では,紛争の平和的解決は地域を支配する理念であり,メキシコはそのような価値観を尊重してきた国であり,平和裡の紛争解決と国際法の遵守を重視している旨述べました。

4 ミード外務大臣より,日本とメキシコは現在TPP交渉に参加しており,日墨EPA再協議を行う時期でもあるが,両方で努力していきたいと述べました。これに対し岸田大臣より,TPPについては早期妥結,日墨EPA再協議については,TPPの進捗を勘案しつつ,進めていきたい旨述べました。

5 このほか,中国,北朝鮮,ウクライナや中南米の情勢につき意見交換を行いました。岸田大臣より,メキシコが現在議長国を務める太平洋同盟との具体的協力を進めていきたいと述べたところ,ミード外務大臣より日本から具体的提言をいただきつつ協力を進めて行きたいと述べました。最後に岸田大臣より,過去10年間の日本・メキシコの三角協力に触れ,中南米地域の発展に向けて協力していきたいと述べました。


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