報道発表
日スウェーデン外相会談及び夕食会


本27日,岸田文雄外務大臣は,外務省賓客として訪日中であるスウェーデンのカール・ビルト外務大臣(H.E. Mr. Carl Bildt, Minister of Foreign Affairs of the Kingdom of Sweden)と,午後7時から午後9時まで,外相会談び夕食会を行いました。会談及び夕食会におけるやりとりの概要は以下のとおりです。
1 冒頭
岸田外務大臣から,ビルト外相の訪日を歓迎するとともに,昨年11月のデリーでの北欧バルト諸国(NB8)との外相会合における素晴らしい議事進行に改めて謝意を述べ,高い技術力・産業力を有し,国際的に大きな発信力を有するスウェーデンは,北欧・バルト地域との協力を進める上で,日本にとって重要なパートナーである旨述べました。これに対し,ビルト外相は,7年振りに訪日できて嬉しい,日本・スウェーデンの二国間関係は,非常に良好である旨述べました。
2 ウクライナ
岸田大臣から,昨年ウクライナを訪問したが,今般のウクライナ情勢に際して,民主化,市場経済化に加え,法の支配,領土一体性が重要である旨指摘する談話を発表した,現在の状況については,クリミア半島をめぐる情勢を注視している旨述べました。 これに対しビルト外相は,EUとして様々な対応を行っているが,ウクライナ問題の根底には,深刻な財政危機の問題があり,これを克服することが,同国の政治的安定にとっての鍵となる旨述べました。
3 平和と安定のための貢献
岸田大臣から,積極的平和主義に基づく日本の安全保障政策について説明しました。これに対しビルト外相から,日本は,世界により積極的に貢献する外交を展開しており,積極的平和主義を歓迎する旨の発言がありました。
4 日・EU協力
ビルト外相より,日本とEUはパートナーシップ関係にあり,日EU・EPAは,日本とEUの双方に有益であると述べました。これに対し岸田大臣から,EUとの協力関係を重視しており,日EU・EPA/SPAの早期締結に向けた強い意志を表明しました。
5 経済分野を中心とした二国間関係
岸田大臣から,女性が働きやすい環境を整え,社会に活力を取り戻すことはアベノミクスの成長戦略の重要な柱であり,この分野で進んでいるスウェーデンの知見を学びたいと述べました。また,昨年5月に署名された鉄道協力覚書に言及しつつ,日本の降雪地帯を含む新幹線の運用経験がスウェーデンの参考となることを期待している旨述べました。これに対し,ビルト外相は,スウェーデンにおいて女性の果たす役割については,ここ30年間で大きく進歩しており,日本と知見を共有していきたい旨述べました。
6 北欧・バルト諸国との協力
岸田大臣から,北欧・バルト諸国(NB8)とは,北極,平和構築,女性の社会参画等の分野でスウェーデンの知見も生かしつつ協力していく可能性は大きい旨述べた上で,今後様々な機会を活用してNB8との議論をさらに深め,一層協力していきたい旨述べました。
これに対し,ビルト外相は,昨年のデリーでのNB8との外相会合は良い会合であり,またその後のフォローアップも着実に行われており喜ばしい旨述べました。
7 その他
これらに加えて,両大臣は,東アジア情勢についても意見交換を行いました。