報道発表
岸田外務大臣とアンソニー・レーク国連児童基金(ユニセフ)事務局長の会談


本24日,19時から約1時間半,岸田文雄外務大臣は,外務省賓客として来日中のアンソニー・レーク国連児童基金事務局長(Mr.Anthony Lake, Executive Director, UNICEF)と会談,引き続き夕食会を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭,岸田大臣から,子どもへの支援を通じて地球規模の課題に取り組むユニセフは日本の重要なパートナーであり,女性,防災,シリア等の重要政策課題に協働して取り組んでいきたい旨述べました。また,日本としては「女性が輝く社会」の実現のための途上国支援を強化する考えであること,来年3月に仙台市で開催する第3回国連防災世界会議に協力いただきたいこと,さらに美しいシリアを取り戻すため,政治対話への貢献と併せ,引き続き人道支援に取り組んでいきたい旨述べました。
2 これに対しレーク事務局長から,いずれの課題についても日本と緊密に協力していきたいとした上で,子どもの死亡率削減のためには母親となる女性に焦点を当てるべきこと,防災については最も脆弱な立場にある子どもの視点が重要であること,岸田大臣のジュネーブ2会議での演説に感銘を受けたとした上で,シリアの子どもが暴力に晒され教育を受けられない現状を解決すべきことを述べました。また,レーク事務局長は明日から被災地の視察について,現地の復興状況を視察するとともに被災地の経験から学びたいと述べました。
3 岸田大臣から,日ユニセフ協力関係の重要性にかんがみ,引き続き適切な財政貢献をしたいと述べた上で,日本人職員の増強を要請しました。これに対しレーク事務局長は,日本の財政的貢献に謝意を表明の上,ユニセフは結果重視のマネジメント改革に注力する考えである旨述べるとともに,日本人職員の増強についても引き続き努力したいと応じました。
4 岸田大臣より,ユニセフは国際オリンピック協会(IOC)と協力関係にあるので,2020年東京オリンピック・パラリンピックの成功のためにもユニセフと協力していきたい旨述べたところ,レーク事務局長も喜んで協力したいと応じました。 このほか双方は,ミレニアム開発目標の達成,ポスト2015年開発アジェンダの策定,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進,世界的なポリオ撲滅に向けた連携等についても意見交換を行いました。
(参考)アンソニー・レーク事務局長
米国政府,民間団体,大学等において多岐にわたる経歴を有する(2007年~2008年オバマ民主党大統領候補(現大統領)の外交政策アドバイザー)。2010年5月ユニセフ事務局長就任。今回で4回目の来日。2011年6月宮城県の被災地を視察。明25日宮城県を再訪し,女川町,仙台市の小中学校を視察予定。