報道発表

人間の安全保障基金を通じたチャドでの事業に対する支援

平成25年11月27日

1 今般,国際連合から我が国に対し,チャドで実施される「紛争後のチャドにおける持続可能な移行に向けたマルチセクター構想に基づくコミュニティの強化と再生」事業に対して,国連人間の安全保障基金から約308万ドル(約2億5200万円)の支援を行うことが決定された旨通報がありました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して国連に設置されたものです。

2 この事業は,国連開発計画(UNDP), 国連児童基金(UNICEF)及び国連人口基金(UNFPA)が,チャドにおける水,食料,健康,人権及び福祉という多様な安全を改善することにより,紛争の影響を受けた人々の人間の安全保障に資することを目的として実施するものです。主な内容は以下のとおりです。

(1)安全な水,保健,教育など持続可能な生活手段へのアクセスの向上及びトップダウン/ボトムアップ・アプローチに基づく現地コミュニティの社会的統合に向けた機会の提供

(2)必需品,職業訓練及び教育の支援を通じた貧困レベルの低減と雇用の確保及び現地のオーナーシップの向上とコミュニティの強化

(3)現地の法の支配の促進,社会的支援及び能力開発による強化を通じた最も脆弱な人々の人権の保護

3 この事業への支援が実施されることにより,避難民及び受入れコミュニティなど,チャドの脆弱層における人間の安全保障の推進が期待されます。

(参考1)人間の安全保障基金
 人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約428億円(約3億9,021万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の約210のプロジェクトを支援してきている。

(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議
 2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。
 本決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論が大きく前進した。また,本決議には人間の安全保障基金のこれまでの貢献を認識し,加盟国に同基金への自発的な拠出の検討を要請するパラグラフも含まれている。

  

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